若手の先生方の中には「何だか学級経営が上手くいかない」「もっと改善したい」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
僕は初任の頃、毎日が嫌で嫌で仕方ありませんでした。
「明日が来るな」とベッドにうずくまって3時間経過とか普通にありました。恥ずかしい話です。
でも大丈夫。いつかそんな自分を振り返って笑える日が必ず来ますから。
この記事では、意気込んで教育現場に踏み出したけど経験が浅いために解決の糸口を見いだせていない先生に向けてオススメの本を紹介します。
- 学級経営や仕事の生産性を向上させたい人
- 教師としての力量・指導技術を高めたい人
- 価値観を洗練させたいが方法が分からない人
生産性向上は必須|さる先生の「全部やろうはバカやろう」
学校の生産性を上げる
まずはこちら。twitterで有名な坂本良昌さん(@saruesteacher)の著書です。
本音を言えば学年主任の先生や管理職に読んで欲しい。
この本には、子どもを伸ばす教師の仕事の質は落とさずに、時間や労力などのコストを減らすこと(=教育の生産性)に関する考え方や具体例が盛り込まれています。
働き方改革の意識を変える考え方や、具体例がたくさん挙げられているのでお勧めです。
現役の先生が書いている本で写真もたくさん使ってくれているので、共感できました。
著書の中に掲示物についての話題がありました。
画鋲で止めていたのですが、それよりも良い方法があることを知りました。
\掲示のオートメーション化/
— さる@小学校教師|Y.SAKAMOTO (@saruesteacher) September 18, 2018
☑︎習字ホルダー
→子どもが入れる
☑︎A4クリアホルダー(ワークシート等)
→子どもが入れる
☑︎壁面上部の養生テープステアー+ツーダンクリップ
→図工の鑑賞後に連結して持ってこさせ教師が掲示
放課後に掲示するのではなく、極力授業時間内に終わらせる。 pic.twitter.com/S32jKJWjtt
私はずっと画鋲を使って掲示物をしていたのですが、さる先生の言う「付随作業」のオンパレードだったことを知りましたね。
違うやり方に変えたら凄く楽になりました。
意外とこういう現場ですぐ使える知識って教えてもらえないじゃないですか。
図解もありますのでお好きな方で。
僕も働き方改革に関しては記事にまとめています。
教育の土台となりうるアドラー心理学|嫌われる勇気、幸せになる勇気
指導に哲学を
私が一番好きな本です。
教師として生きる一番の指針となった本です。救われました。
教師向けに執筆したのか?と思うくらい、普段から子ども達と接する教師にとって有意義な内容のオンパレードです。
特に下の人にはクリーンヒットです。
- 確かな教育の軸を作りたい
- 感情的に指導をしてしまい反省する
- そもそも教師に向いていないと悩む
- もっと優しくなりたいと思う
ただ、タイトルを見ると、このように思いませんか?
- 相手から嫌われても良いと思いなさい
- 子どものために指摘するのは悪くない
- 課題は指摘して良い方向に導きなさい
タイトルから受け取れる、こんなメッセージは「嫌われる勇気」で語られることと違うので、是非読んでみてくださいね。
実際にはこの本を読んで私の指導はこう変わりました!!
ポジティブに考えられるようになり、子に強要をしなくなり、寛容的に子どもと接することができるようになりました。
不用意に首を突っ込まなくなったんですね。
私はADHDの子を担任していて、その子が勉強はしないし暴力的な行為を取ることもあって悩んでいました。
薬も服用する前で、荒れていた時期でもあったのです。嫌われる勇気を読む前の私は、その子と接する時に
何とかさせなきゃ…。このままでは…。
自分を追い詰めていました。
この本は、固定観念で固まっていた私の心をほどくような気がしました。
嫌われる勇気の言葉を借りれば「課題の分離」をしっかりして、「最終的な責任を引き受ける人」は誰かを考えました。
そして「私ができることを粛々とする」ことに徹しました。
変わるか変わらないかを決めるのはADHDの子ども自身と考えて、サポートを続けました。
不思議なもので、アドラー心理学がしっかり入ると、子どもに優しくなれるよね
切羽詰まった自分の心に余裕が生まれ、適切な対応ができるようになるのです。
自分の中に「教育の指針」が生まれたんだなと思って嬉しくなった記憶があります。このような体験を皆さんにも是非してもらいたいです。
「嫌われる勇気」を読んだ後には「幸せになる勇気」をオススメします。
嫌われる勇気が、哲人と青年による対談形式の理論説明書だとすると、幸せになる勇気は具体的な取り扱い説明書です。
実際に教育現場でアドラー心理学のノウハウをやってみたけどダメだったじゃないかと憤慨する青年の怒りからスタートしていますので面白いですよ。
二冊しっかり読むことでアドラー心理学が整理されます。
もし嫌われる勇気を既にお読みで幸せになる勇気をまだご覧になっていない人は一読をオススメします。
自分の中に学級経営の芯を持ちたいと願う先生に|学級経営の教科書
学級経営を知識武装
次は学級経営に関する書籍です。
こんな悩みが一年目は強かったのです。
クラスをどうやって良くしていけば良いか分からない…。隣のクラスより落ち着いていないことは分かるけど、どうしてなんだろう
教師になってまずする仕事が「学級経営」な訳ですが、大学でも現場に入ってからも大して指導されないですよね。
誰もが感覚的に学級経営をしていく気がします。
そのため、教師は自分から学級経営を積極的に学んでいく必要があります。この本はこんな人にオススメです。
- 「学級経営」を体系的に学んでみたい
- 感覚で行ってきた学級経営を理論的に学び直したい
- クラスを落ち着きと愛のある学級にしたい
学級経営には、二つの側面があるそうです。
学級経営の側面とは・・・?
学習指導のためにいかにコントロールできた組織を作るかという考えを狭義の学級経営。
人間関係作りや集団作りを含めた子ども達の自治的な参画を求めていくのが広義の学級経営だそうです。
学級経営が、一部の子を排除する構造になっていないか。
絶対に指導を必要する事項は何か、子ども達を導き育てていく事項は何か。具体的なポイントを示してくれているので分かりやすいです。
印象的な言葉がありました。
学級を「不安と危険に満ち満ちた格闘場」にせず、「いろんな人や出来事に出会える魅力的な場所」にしていく。
そのために自分をアップデートしましょう。
道徳の授業を一段階レベルアップしたい先生に|道徳読み
道徳教科書をフル活用する指導法
道徳の授業はむずかしいなあといつも思います。
また道徳の授業が全然うまくいかなかった…困ったな…
道徳ってどのように授業をすれば子ども達に力がつくか分かりにくくないですか?
深く考えず授業をしてしまうことがありました。
学校の赤刷りで板書例を見て、その通りにやろうとしても何だか上手くいかない経験が多かったです。
でも当然なんですよね。
教科書で想定している目の前の子どもと学級にいる子どもでは違うわけですから。
この本は「道徳読み」の本ですが、道徳って何だという初歩的な所から、学習活動で何をねらっていくのか説明されています。
この本をバイブルに、一度経験してみると良いですよ。
実は私も購入してみるまで
どうせ大したこと書いていない本でしょ。自分で考えた授業の方が良いに決まってるじゃん。本になんて頼らないよ。
と思っていました。 (超生意気ですね。)
それは違います!!
頼れるところは頼りましょう。
ただでさえ経験の少ない先生なら尚更です。まずは真似て、そこから自分なりのスタンダードを作っていけばよいんですから。
もう少し道徳読みについて知ってみたいという方はこちら。
おわりに
今日は初任者の先生や経験の浅い先生に、おすすめしたい本を五冊リストアップしてみました。
どの本も今の私を形作ってくれている本です。
本との出会いも教師の在り方を作っていく一つの大きな要因だと記事を書いていて考えました。
私も読書に励みます。
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