私は教員になってから6年目を迎えました。

腹が立つことも、落ち込むこともあるけれど、教師の仕事も悪くないなあと思っています。でも、そう思えるまで時間がかかったなあ…。
今の私は教員の仕事も、プライベートな時間も明確に分けずにいても楽しいと思える日々を歩んでいます。ところが1年目、2年目まではそういう日々ではありませんでした。

夜9時すぎに帰って、自宅に帰るなりベッドに倒れこみ明日を迎えるのが嫌で嫌でたまらないような日々を過ごしていました。
私の学級は荒れている訳でもなく、学年団の先生方も非常に温かい、一見すると何も悩みがないように見えていたことでしょう。
今日は、初任者の先生方に向けて「私はこう乗り越えた」という経験談をお届けします。
『教師の仕事の本質』を考え抜くことから逃げてはならない

最初から辛辣なことを書いているような気がしますが、以下に記入していくことはすべてこの派生となる考え方です。
みなさんは採用試験の合格発表の後にどんなご自身の姿を想像されていたでしょうか?
私はこんな場面を思い描いて教員になりました。そしてそのまま、「教師としての在り方」を深く考えぬまま、2年目までを過ごしていました。
先程の姿は教師としての遣り甲斐を感じる場面ではありますが、本質から派生した枝葉の部分であると今では認識しています。

教師の姿ではあるけれど、本質ではないと・・・
では、教師の本質とはどこにあるのでしょうか?

それは間違いなく、子ども達一人一人の成長を最大化することです。そして、”成長”に最大化するためには、必要ない部分や手を抜く部分を意図的に作り、成長するかどうかにフォーカスした教育をデザインしていくことが必要だといえるでしょう。
ただ、最初は公教育で目指すべき到達点を肌感覚で分からないと思います。それが分かるようになるのは僕の経験では3年後ぐらいから。苫野一徳さんの「教育の力」は、公教育と一人の教師がどのように関わっていくべきか考える上で良い本でした。お勧めです。
逆算していく考え方「必要」と「不要」を見極めろ!

初任の皆さんは事務所研修や管理職、諸先輩方から多方面でご指導を受けていらっしゃることでしょう。
中には「若手は朝早くに出勤するもんだ」「遅くまでやっているのが良い教員だ」などという時代錯誤甚だしい先輩がいる環境に身を置かれている方もいらっしゃるかもしれません。
私たちの仕事の本質、本懐は「目の前の子ども一人一人の学びをデザインし、成長を最大化すること」だと私は考えています。

教師は子どもの育ちで評価されるもんだよね。一年後に子ども達の成長があれば教育は正しかったといえます。
このために必要な仕事はフルスロットルでやっていくいくべきです。例えば、教材研究や授業研究です。形式的な、人に見せるだけの授業研究は必要ありませんよね。年に一回だけ見せる授業にエネルギーを注ぐなんてあってはなりません。そんな所にエネルギーを費やすより、日々の授業を大切にしていきましょう。
人間、全部をがんばることはできません。教師業の肝に心血を注ぐのです。さる先生の著書「全バカ」は教師の仕事の生産性を向上させてくれる点でお勧めできます。是非ご一読を。
「どのように学ばせたいか」まで考えることで授業は変わる
次は授業について考えている先生です。

明日の社会では都道府県を覚えさせたいな。47都道府県の名前と位置を教えよう。日本地図ぐらい子どもだって見たことあるし、何とかなるでしょう。
過去の私です。このように押さえたい内容と授業の中身は検討していたのですが、「どのように子ども達に学ばせるか」を検討していませんでした。
これでは行き当たりばったりの指導になり、授業のスピードが落ちます。すると、子ども達は授業とは違う方向に興味が反れてしまいます。というか、単純に飽きます。子どもはシビアですからね。興味なくなると欠伸のオンパレードです(笑)

逆に、そういった子ども達の素直な評価(欠伸をしている等)を授業改善に繋げていかないといけないね。
この場合は、カルタ形式で楽しさを出したり、小テストや問題作り等の活動を入れても良いでしょう。「飽きさせないで楽しく学べる学習をどう仕組むか」です。
とにかく、何を指導するかだけでなく、どのように指導するかまで視野に入れた教材研究をすると良いです。

振り返ればこんな当たり前のことが二年目までできていなかったのですから、恥ずかしい限りですよ。
職員室でがんばらない、先生方の目を気にしない

最近のtwitterで印象に残った先生の投稿。良い関係性が垣間見えるような投稿です。当たり前ですが、こんな風に普段からコミュニケーションを取ることで円滑に物事を運べるようになります。
管理職の先生も素敵ですよね。特に初任者の先生は貴重な朝の時間、または放課後の時間も、できるだけ子ども達のための時間に当ててください。
職員室の中のことは、級外の先生や中堅ベテランの先生にお任せして「まずは自分のこと」で良いのです。余裕が出てきた時にちょこっとお礼の言葉を言ったり、話したりする、それで十分ですから。

逆に先輩教員が気を使ってあげなきゃいけないんです。だからあなたは気を遣わずに自分の学級に全集中してください☺
職員室で気を使いすぎると大抵、教師の仕事が嫌になってきますので早く帰って教育書でも読んでいた方が自身の成長に繋がりますよ(笑)

子どもの成長につながらない仕事は徹底的に「終わらせる」

教員文化でありがちなのが、言葉や体裁に必要以上にこだわるところです。
例えば学級経営案。数時間かけて美辞麗句を並べたところで、子どもの成長につながりますか?一切繋がりませんよね。学校にはそういう「終わらせるべき」仕事が埋もれるほどあります。
放課後に職員室に帰ってくると予期せぬ仕事があがっていることも。

この前も提出したのにまた紙があがってるよ。何だよ嫌がらせかよ…
大事なのはそういったものに時間を使わずに、即座に終わらせること。
そういったものは、「どうでもいい書類」である場合がほとんどです。秒速で終わらせましょう!教科書見ながら明日の授業を考える方がずっと大事です。

忙しい私達には無駄に構っている時間はない!!
それと、提出物関係を期限内にしっかりと提出することは職員室内での信頼感を勝ち取る重要ファクターです。約束を守らない人は信頼されません。これは初任者であろうとベテランであろうと変わらない普遍の真理ですので徹底下さい。
さて、書類に時間を取られないための紙の断捨離についてはこちらも参考下さい。

自分の見え方を意識すべし「セルフプロデュース」

子ども達にとって担任の先生がどう見えているか、この意識を持つことは大切だと思います。子ども達にとって魅力的で信頼できる先生だったら良いですよね。昔でこそ教師は聖職者と呼ばれて画一的な教師像があったかもしれませんが、最近はそんなことありません。
教師も個性を発揮して良い時代です。

率先して自己開示していくと、子ども達が信頼してくれます^^
何か一つ得意なことを持ち、子ども達に披露したり一緒に楽しんだりするとぐっと心の距離が近まります。
私は「映像作成」が趣味であり得意です。賛否両論あると思いますが、子ども達の写真や動画を簡単にまとめてお楽しみ会や授業参観後の保護者会でお見せすることもあります。すると、子ども達や保護者の方からは、「まつお先生」がレベルアップして「パソコンが得意なまつお先生」になっていきます。

ふふふ。狙い通りだぜ!
こんな風に、自分のバージョンをどんどん更新していくように魅せることも学級経営を楽にする一つの方法かもしれません。スポーツでも、音楽でも何でも良いので、おすすめです。
特に初任者さんはそういうことで心を掴むと、子ども達は面白がって寄ってきますので心的距離をぐっと縮める絶好の機会になりますよ。
セルフプロデュースをする目的は、「子ども達(保護者)との信頼関係の構築」です。
個性が見える先生、指導方針や心持ちが分かる先生の方が安心できますよね。できるだけ早い時期に、信頼関係が構築できていればこれから一年間を駆け抜けていく財産になること間違いありません。

自己開示することで相手の心も開いていこう!
高学年相手には特に戦略的に自己開示をしていくと良いです。腹黒気味に^^
最後に伝えたいこと「完璧を求めないで」

私たちの仕事は、人、それもまだ未熟な子ども達を相手にする仕事です。
いくら経験年数を重ねても、これが最高!完璧!という教育はあり得ないと思うのです。一人一人に響く指導方法は異なりますし、相性の問題もあります。

人間はいつまでたっても「発展途上」ですからね^^
だからこそ、教師も少しだけ肩の力を抜いて、まずは目の前の子ども達の姿を見つめること。そこからスタートすることが必要なのだと思います。無理をしすぎては良い教育はできません。
毎時間素晴らしい指導をしてくれる大人が近くにいるより、にこにこと自分の事を理解しようとし、寄り添ってくれる担任の方が嬉しいではありませんか。

皆さんの教師生活は始まったばかり!苦しいことに目が行くと思いますが、それがきっと子ども達から離れる時の感動や思い出をくれます。辛い事は続かない、ぼちぼちでやっていきましょうよ😚
今回は私なりのメッセージを届けさせてもらいました。お互い励んでいきましょう!
👇他の記事も是非ご覧ください👇
コメント