こんにちは、まつお(@matsuo_edu)です。
今回は以前tweetしていた「ふりかえりジャーナル」のデジタル版について実践したことをまとめていきます。今回使用するのは、Microsoft teamsとExcelです。これから取り組んでみたいと考えている人にとって良い記事になれば幸いです。
今回の記事がお勧めできるのは次のような方です。
- デジタル版ふりかえりジャーナルのやり方が知りたい
- 興味はあるけど、具体像がイメージできていない
- 実際にやってみた感想や手ごたえを知りたい
それではよろしくお願いします。
他にもGIGAやデジタルに関する記事を書いているので良ければご覧ください。
ふりかえりジャーナルに取り組む目的とは?
そもそもの活動である「ふりかえりジャーナル」については、紙ベースの実践で知っている方も多いと思います。岩瀬さんとちょんせいこさんの書籍です。
さて、ではこの振り返りジャーナルに僕が取り組む目的をまとめておきます。
- 雑多な学校現場の中で自分を見つめる機会とすること
- 子ども達の激動する心を見つめる事
雑多な学校現場の中で自分を見つめる機会とする
今年度は5年生40名を担任しています。高学年となると、委員会活動など学校全体に関わる仕事も多く、休み時間も忙しなく動いている子ども達がたくさんいます。計画委員の子どもの中には「授業が一番落ち着ける時間だ」と漏らした子もいました。
我々大人も同じですが、忙しくしている時には自分自身を俯瞰的に見ることが難しくなります。少し立ち止まって自分を振り返る時間を作ることで自分を肯定的に捉える、明日への活力を見出すことに繋がるのではないかと考えて振り返りジャーナルに取り組むことにしました。
子ども達の激動する心をWatch👀する
高学年という多感な時期でもあり、友達のことや学習のことで悩む子も多い事でしょう。きっと表面に上がってきていることの数倍、数十倍は悩みを感じているはずです。それらの一部でも我々が吸い上げてあげることができたら、心が軽くなったり転機を迎えられたりするのではないかと思うのです。
心を書いていくことで、①自助作用(自分で改善の糸口を見つける)②教師の援助、この二つが得られる可能性を秘めています。繰り返せば繰り返すほど、少しずつ子ども達の心の深い部分が出てくると思うので、継続していくことが必要ですね。
具体的な取り組み方(方法)について
デジタル版振り返りジャーナルの取り組み方は以下のプロセスをふみます。
- 手順1Excelで一人一人のシートを用意する
好きでExcelを使っていますが別にWordでも結構です。
- 手順2Teamsの「ファイル」に個人名を付けて入れて置く
事前に「5年1組」などとチームを作成しておきましょう。
- 手順3帰りの会などで個人が入力する機会を作る
時間帯はいつでも大丈夫です
- 手順4定期的に担任の先生がチェックをする
本実践では毎日朱書きですが、僕はそこまでやれませんでした
- 手順5定期的に紙に印刷し、ポートフォリオとする
自分のまとめとして、印刷して蓄積します。
手順1:Excelで一人一人のシートを用意する
実際のシートです。名前は各自で入力させます。
「曜日」は、「記入した日の欄」に日付を記入することで自動的に計算できる仕様にしています。設定方法は「曜日」の欄に関数を打ち込みます。B2に記入した日が来ている場合は「=text(B2,”aaa”)」と入力してください。すると子ども達が一人一人入力する手間を省けます。
同様に、文字数の表示にも関数を打ち込みます。B4セルの文字数を測りたい場合には、「=len(B4)」と入力してください。このLENという関数は文字数をカウントする関数です。他でも応用が効きますので覚えても良いですね。
以前は、日付まで書いたシートを作っていたのですが、一度書けない日が出ると面倒だったので、自分で上から入力していく方針を取るように変更しました。
書いていなくて間に隙間があるシートができるのが嫌だったのです^^
最後ですが、関数を入れた部分は子ども達が誤って変更しないよう、「校閲タブ→シート保護」で変更不可にしています。このあたりは各自でお調べください。どうしても分からなければDMを。
手順2:Teamsの「ファイル」に個人名を付けて入れて置く
先程作成したファイルを量産し、Teamsのファイルに入れます。
ここに入れることで児童がファイルを見つけることができます
今の段階では、一人分しか作っていませんが、本来は児童数分が来るという形ですね。Excelシートにパスワードを設定すれば、自分以外は読めないように設定することができます。短時間でみんな書くことで精一杯なので今はつけていませんが、今後の様子を見てパスワードをつけても良いのかなと思っています。
最近はデジタルいじめもあるので、できればパスワードつきが良いね
人数が少ない場合には、一人一人のプライベートチャネルを追加して、他人に見られないようにする方法もあります。プライベートチャネルは30個ぐらいで限界が来るようで、うちの学級では試しましたが不可でした。このことからも、30人以上の学級は即刻やめてくださいよ文科省様・・・・。
手順3:帰りの会などで個人が入力する機会を作る
ここまでくれば後は実際に記入してもらう段階になります。
どうしても時間が取れない時以外は極力毎日書いて習慣化していくのが望ましいです。うちの学級では、給食→片付け→ふりかえりジャーナル→昼休みの流れを取っています。
うちのクラスでは、この時間に書いているよ!とコメント欄で是非教えてください!
高学年で食べるのも早くなったことや、時間を取れるのがここしかない感じだったのです。もっと良い運用の仕方がないかは常に考えていかなければなりませんね。
手順4:定期的に担任の先生がチェックをする
もともとの振り返りジャーナルは毎日先生がチェックしてコメントを入れるものです。
僕の学級は40人で、とてもそれは無理です。ですので、定期的にチェックする方針に変えています。無理して担任が具合悪くなっていたら元も子もないですからね。手順5で印刷したものに蛍光ペンを入れたり、一言コメントを書いたりしますが、印刷するまでに書き込むことはしていません。
持続可能な働き方をしていかないと取り組みも無駄になってしまうと考えています。
子ども達には、振り返りを書いて自分の成長や心の動きをモニタリングしていくのが目的と伝えています。書かせている以上、チェックは必ずします。主に給食を爆速で食べながら、前日の子ども達が書いた振り返りジャーナルを見ているという感じですね。
こういうことをしているから、学校の先生は食べるのが速いんだね(笑)
変なことを書いているジャーナルも多いので、吹き出しそうになるのが欠点です。
子ども達とコミュニケーションを取るきっかけに繋がりそうで良いじゃん!
手順5:定期的に紙に印刷し、ポートフォリオとする
手順1の写真を見てもらうと分かりますが、シートが月ごとに分かれています。
一月分が終了したら印刷をかける感じです。うちの自治体が子どものタブレットから直接印刷ができず、そのうち印刷が可能になるという状況なので今はストックしている段階です。可能になり次第、印刷して自分のファイルに綴じていきます。
紙に印刷してあると、自分の過去を思い出したり、こんなに入力ができるようになったと喜んだり、いろんな姿を見せてくれるのが楽しみです。個々の成果物を可視化していきます。
振り返りジャーナルで思春期の微妙な心に寄り添う
ここまでご覧いただきありがとうございます。
この振り返りジャーナルはなんといっても、言葉には表れてこない心の部分が文字の形でしっかり表現されてくることにあると思います。そんなこと考えていたのかという発見、予想外の悩みを抱えている事実が分かる等、児童生徒の理解が進むこと間違いなしです。最初は手間のかかることかもしれませんが、効果は大きいと思いますのでやってみたい方は参考にしてください。
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