今日は「シンキングツール=思考ツール」についての記事です。考えるための技法と言われますね。
新学習指導要領が始まる前ぐらいから、思考ツールが出てきました。作成が手間だと思うので、ダウンロードできるようにしました。

記事下の方からダウンロードしてお使いくださいね!
思考ツールを学ぶ単元は6年にあるが…早い方が良い!
教育出版の教科書「ひろがる言葉小学国語6」には、「図に表して考えよう」という単元があります。
単元名の通り、思考ツールの使い方を学んで実際に使ってみようという単元ですが、正直6年生で使い始めるのはとても遅いと思います。
現に関西大学初等部では、1年生~3年生までを思考ツールの習得期としています。
もちろん、教育出版さんも、これまでたくさん使われてきた思考ツールを「6年生で知識として子ども達に再確認してもらう」意味合いで掲載しているのでしょうけどね。
僕は3年生ぐらいから頻繁に使うようにしています。社会科と相性が良いと思っているのもありますがね。
ベン図やチャートなどの思考ツールは、各教科の学習などで使われる機会が増えてきています。
NHK for schoolの「思考ツールとは(外部リンク)」でも言っていますが、「物事を深く考える」には、こういった思考ツールが必要です。
教師の手で早めに子ども達に思考ツールを経験させ、子ども達自身が学習で効果的に使っていけるようにすることこそ、必要なのではないでしょうか。
経験があれば思考ツールを勝手に使いだす


一度経験した思考ツールは、学習課題を達成するための武器になります。
裸の勇者が、銅の剣を手に入れたようなものです。(ドラクエファンにしか伝わらないですね)
一度その便利さを知れば、子ども達は場面に合わせて使うようになります。
社会科でベン図を使った後はお楽しみ会で行うゲームの比較をベン図でしていました。


どっちがいいかな?を考える時には「ベン図」を使えばいいという経験が子ども達に根付いていたからこそ、勝手に使いだすわけですよね。
この状態になれば総合的な学習の時間での探求や、児童会活動などで主体的に活動していくことができますね。
年度初めにやっておいた方が良いことの一つが思考ツールの指導かもしれません。
小学校の授業でよく活用している思考ツール8種類


小学校教諭になってから2年生から6年生まで経験しました。
その中で僕がよく使ってきた思考ツールを紹介します。
思考ツールはたくさんの数がありますが、一般的でない物を紹介しても仕方ありません。
思考ツールは何も「数を知っていれば良いもの」ではないからです。子ども達に与えすぎても無駄です。
大事なのは「比較ならベン図。評価するならPMIだ。」という風に、判断できること。
それには、どんな思考をさせたいかを教師側が吟味し、必要に応じて与えていくことが大切です。
これを繰り返すことで子ども達の学習の効率も上がると僕は考えています。
一覧にあるよく使う思考ツールを無料で配付します


自分が使いやすいようにExcelで作った思考ツールをこのブログに置いておきます。
ダウンロードしていただいた後は、ご自由に使っていただいて結構です。
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それでは思考ツールを見ていきましょう。
各ツールの紹介の所からダウンロードできるようになっています。
比較する―ベン図


比較する時に使います。コンビニとスーパーの比較、海と湖の比較などです。
ベン図はシンプルですので、考えることに集中できます。
どこに書けば良いか一目瞭然ですからね。社会科の学習と相性が良いですが、5年算数の公倍数や公約数でも活用できますね。
評価する―PMI


物事を評価するのに役立ちます。
例えば、学校は午前中で終わった方が良いと思うという提案があったとします。
この提案のプラスとマイナス、インタレスティングを考えていくことで、感情的なやり取りではなく、Aだから賛成。Bだから反対という風に思考がより高いレベルになっていきます。
分類する―Xチャート


Xチャートは、用紙に直接書くよりもA3にラミネートしたものを複数用意しておいて、書き込んだ付箋を貼って仲間別けするときに活用させています。
これとこれは仲間だねと言いながら分類する際に有効です。
同じようなものに、「X」ではなく、「Y」の3つに分類するものもありますね。
構造化する―ピラミッドチャート


ランキングをつける時、より大事な物は何かを考える時に有効なのがピラミッドチャートです。
社会科の「日本国憲法の三原則」を学んだ時には、基本的人権の中でどの条文が自分にとって重要だと思うかを序列化する時に使いました。
また、計画委員会では、児童会目標を決定するまでにどの言葉がより汎用的か考える際に使いました。
多面的に見る―フィッシュボーン


NHK for schoolでは「コンビニはなぜ便利なのか」をフィッシュボーンでまとめていました。視点には「営業時間が長い」などと書き、中には具体例を書き込んでいきます。
例えば、「24時間営業をしているところが多く、夜に買い物忘れを思い出した時に便利」などと書いていきます。
授業でやった時には、この4つの視点と具体例が埋まったことで「俺ってこんなに考えられるんだ」と喜んでいる子がいました。達成感も味わえる思考ツールです。
アイデアを出す―熊手チャート


いろんな考えを発散したい時に使います。
先ほどのフィッシュボーンに行く前に、熊手チャートを使ってたくさんアイデアを出しておくと良いです。
二つを併用するとより効果的ですね。
理由付ける―クラゲチャート


例えば、「春はとても気持ちの良い季節だ」と考えたとします。その理由を○の中に記載します。
気温が上がる、桜がきれいだ、入学式で気分が変わる、新しい出会いがある、など色々出ることでしょう。
○のサイズが微妙なので、慣れてきたら自分のノートに独自のクラゲが出現していることでしょう(笑)
違う立場で考える―バタフライチャート


子ども達が結構好きなチャートです。
学級会の話し合いでよく使いました。低学年でも使えます。
学級会でするゲームの案が出た時に「まずはどっちが良いか悪いかを決めてしまわないで、どっちの立場でも考えてみよう。」と話しました。
どうしても子ども達の話し合いは、発言力の強い子の意見になびきがちです。
理由を持つことで違う意見も言いやすくなりますし、何よりそういう側面もあるという気付きが生まれるのが面白いです。
まとめ:思考ツールを使った授業で考える力を伸ばそう!


今回は思考ツールを8種類取り上げて紹介しました。
これらの思考ツールは子ども達が繰り返し活用することで洗練され、効果的な使い方になってきます。
最初は、思考ツールを使うために練習するところから入りますが、徐々に考えを比較・整理・関連付けるために使うようになります。
教師は根気よく、子ども達が使えるようになるまで見守っていきましょう。
思考ツールについて更に学びたい方はこちらの書籍がオススメです。Amazonで28件の評価があって★4.2は高評価です。
それでは、またブログに遊びに来てくださいね☺
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