僕の勤務校では、学習所見・生活所見・総合的な学習の所見・道徳所見の4つを記載します。
書く量が多くて大変だというのが正直な感想です…💦
以前このようなtweetをしたところ、少しの反響がありました。
道徳の所見は他の所見と違い、比較的容易に書くことができます。
通知表配付の直前に困らないよう、僕が取っている作戦も紹介しますのでご活用ください。

道徳所見のコツは授業中の思考を拾う
道徳所見の方向性について文部科学省が資料を出してくれています。詳細は以下の画像をご覧ください。

特に、「①見方の広がり・深まりを見取ること」「②道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めること」について、私たちは子ども達の以下のような言葉に注目すれば良いのではないかと思いました。
- 話を聞いて意見が変わりました
- 今までは~と思っていたけれど
- 改めて(やっぱり)~と思いました
これらをターゲットにして感想を見れば、思考が深まったり価値観が広がっているところに気付くことができそうですね!
皆さんのコツがあれば、コメ欄で教えてください🔥
校内ルールの確認「文字数」や「書き方」に注意しよう
各校でルールが違うと思います。
通知表ソフトによって文字数が違うので、まずは自分の作る通知表の文字数を確認しましょう。


上の画像を見て、基本を確認してね!それでは、まつお先生の所見文例を見てみよう!
特別な教科「道徳」所見文例はここから


文例を集めました
人の意見をよく聞いて学んでいます。「電池が切れるまで」では、生きたくても生きられない人がいる事実を知り、今後の自分の生き方を考えることができました。
自分ならどうするのかを意識して,生き方を考えられています。「いじめをなくすために」では、苦しむ人の味方になり、助けを求めて救いたいと考えることができました。
さまざまな問題に関心をもち,発言・発表を積極的に行いました。「いじめをなくすために」では、傍観者になるのではなく被害者の心を救う言葉をかけたいと考えました。
熱心に自分から授業に取り組み,発言・発表ができています。 「落とし物」では、その時にしかできないことを優先して行動する方が良いと考えることができました。
熱心に進んで授業に取り組んでいます。「ぼくがいるよ」では、病気に苦しむ母のために、自分ができることをした主人公に感銘を受け生き方を考えることができました。
自分ならどうかをよく考えています。「ぬぎすてられた靴」では、節度を守り丁寧に生活を送る大切さについて考えを深め、気をつけたいと考えることができました。
人の意見を聞いて,自分だったらどうかと考えながら道徳に取り組むことができました。ゲーム依存についての学習では、時間を守って使いたいと考えることができました。
人の意見を聞いて,今までとは別の視点からも考えています。 「もったいない」では、自然環境を守り、美しいまま引き継いでいく大切さに気付くことができました。
「わたしはひろがる」では、バスケの上達やよく笑うようになったこと等、自分の成長を振り返る中で、これからの生き方について考えることができました。
「森の絵」では、希望する役になれず落ち込む人物の姿から、自分の感情だけでなく他の人のことも考えて行動することが大事だと考えることができました。
「母とながめた一番星」では、母が子を思う気持ちを知り、自分もネガティブになることがあるけど命を大切にしようと考えを深めることができました。
「おじいさんのあたたかな目」では、うるさいと感じることもあるけれど周囲の人々に支えられていることを自覚し、応えようという気持ちを新たにしました。
「友の肖像画」では、病気になっても友の絵を描いた人物の姿から、友達は人生に欠かせないから人を信頼して大事にしたいと考えることができました。
「復興への願い」では、災害からの復興を目指してさまざまな人がそれぞれのやり方で力を尽くす姿に共感し、自分ができることをやろうと考えることができました。
「ミッキーマウスの誕生」では、困難に何度も直面したディズニーのように、あきらめずに報われるまで努力する価値について改めて考えることができました。



書籍を買うと更に参考になります。文例の中から子どもに合うものを選ぶのが最短ですね。
高学年の道徳「通知表所見」を作るための工夫


さて、ここからは具体的に、僕が取ろうとしている作戦を紹介していきます。
①ワークシートをポートフォリオにする
通知表配付の直前になってから何を記載しようか困らないよう、児童の思考を見える化しておく必要があります。
道徳は「話し合い」の時間が長い教科ですが、最後の振り返りは必ず紙に書くか、デジタルに入力させたものを印刷し紙の形式で保存するようにします。
ファイルに閉じこむことで、通知表作成の時期が来たら、所見を書く武器が手に入ります。



デジタル全盛期ですけど、僕は手元に資料があった方が良いので、印刷しています
振り返りを書かせるのは、子どもが「何を学んだか」をメタ認知させる上でも、教員が通知表の職責を果たす上でも大事ですね。
ただ、このファイルに閉じこんでポートフォリオ化するのは、一つ困り事が出てきます。
それは、どの授業が最も心に残って深く考えたかが出てこないという点です。
これではなんとなくの所見ができてしまいます。
おそらく経験の浅い教師は
①授業中の発言が活発だった題材にする
②量を多く書いているものを題材にする
上のどちらかで記載する題材を決めているはずです。
感覚で選ぶことはできますが、どうせならその子の心に響いた題材を取り上げて所見を書きたいです。
そこで、次の作戦を取っています。
②35時間分の振り返りを1枚のExcelシートにアウトプット
道徳は年間35時間です。
その振り返りを、タブレットを使ってすべてExcelに入力させる方法を取ります。
年度初めに以下のような全教材のタイトルが入ったシートを作成します。
僕の勤務自治体は「teams」を使っているので、「道徳チャネル」を作り、「ファイル」にこのファイルを人数分複製します。
これで準備完了です。
後は、授業ごとの振り返りを毎回このシートに入力します。


僕は今年持ち上がりで2年目です。
5年生の時にタイピングを仕込みまくったので100文字以上と制限を加えると、3分もあれば入力が完了します。
鉛筆では書けなかった文字量や思いを書いてくれています。



題材名を変えればどの学年にも対応できるね。
時期が来たら見返し、「どの教材が心に残った?」と質問して印刷したものに赤ペンで丸を付けさせています。
これで「濃密な通知表の素材データ」が手に入ります。
③通知表の時期には道徳アンケートを実施し「印象深い教材と変化」を可視化する


先ほどの内容と被りますが、時期が来たらアンケートを取るのも良いと思います。
振り返ってどの学習が心に残っているのか、理由とセットで聞けば情報が手に入ります。
僕は以前からこの方法を取っていましたが、どうも抽象的な、言ってしまえば誰でも言える正論を書いているばかりで「その子らしさ」が出ていませんでした。
その点、すでに全授業の振り返りがシートにまとまっていれば子どももどんな授業だったかが思い出せるので、最後のアンケートも書きやすくなると思います。
まとめ:通知表を楽に書くには事前準備が必要です!


このページにたどりついた皆さんは、道徳の所見の文例に使えそうな内容はないかなと検索されてきたと思います。
そんな方に恐縮ですが、一番手っ取り早く所見を書くコツは、学級の子ども達の振り返りをそのまま二次利用することです。
今回は、僕が取ろうとしている「年間ふりかえりまとめシート作戦」を紹介しました。
子ども達の思考が蓄積されたものが手元にあるかないかで書きやすさは変わってきます。
今回の記事が次に所見を書く時の参考になっていれば幸いです。
通知表所見に関する記事をまとめましたのでご活用ください。それでは、また会いましょう!
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