障害児通所支援を行う中で必ずやらなければならない仕事があります。
それは『記録』です!!
記録の書式や文字数、手書きかPCか等の違いは事業所や支援内容等で出てくるとは思いますが、必ずと言って良い程支援者は記録を書きます。
今回は、私も仕事で毎日行っている記録についてまとめていきます。
書いた記録って何に使うの??
記録を参照したい時のことを考えることで、どのように記録を書いたら良いかが見えてきます。一度使いたい時を想定してみると良いですね。
大体みなさんもこのような目的で使用していませんか?他にもあると思いますが、まとめると
「その日の支援終了時以降の自分のため」「他支援員に伝えるため」
という2つの目的があると考えられますね。
記録がないと、記憶だけで自分の支援の振り返りをし、記憶だけで次回の支援内容を考えなければいけません。
また、記憶だけで情報を共有しなければいけません。
記録はより良い支援を提供するために必要不可欠なアウトプットです。
記録って何を書けば良いの?
そもそも記録は、「その子(利用児童・利用者)のことを知らない支援者が、記録を見てその子を想像できるように」書きます。
自分がその子のことを何も知らない立場になった時、「何を知りたいのか」を記録にすると、伝わりやすくなります。また、記録は「です・ます」調ではなく「である」調で書くのが一般的です。「~をした」「~だった」のように、過去形で書くのが普通ですね。
【実例紹介】伝わりにくい記録と良い記録
実際に、私が考える「伝わりずらい記録」の例を挙げて、「良い記録」と思われる表現の仕方を紹介していきます。曖昧さを残した表現が天敵であることが見えてくることでしょう。
伝わりずらい記録例① ~ができた
塗り絵を実施。色の認識ができていた。
これでは、「何の様子から判断したのか」「なぜそう捉えたのか」という支援者側の考えもよく分からない上に、子どもが何色を認識できたのか分かりませんよね。
こういった曖昧さが残る表現を止めて、より具体的な表現に変えると良いです。
塗り絵を実施した際、赤のクレヨンを手に取り「赤!」と発言した。また、支援員が本児に「黒ちょうだい」と伝えると、すぐに茶色を取った。
「次回は色カードを使用して、赤以外の色の確認をしよう!」
「支援員が発言した色を選べるのか他の色でもみてみよう!」
のように、その子のどのような言動で判断したのかを書くと、次回の支援内容の検討に役立ちます。
伝わりずらい記録例② ひらがなが読めた
保護者より、「ひらがなは読める」とお話があったため、ひらがなカードを使用して確認。「あ」が読めていた。
この記録の分かりにくさはどこにあるでしょう?
「読めた」とする根拠がどこにあるのかが明確でないため曖昧さが残っています。
保護者より、「ひらがなは読める」とお話があったため、ひらがなカードを使用して確認。「あ~お」までをバラバラに提示した。支援員が「“あ”どれ?」と問うと「あ」のカードを選んだ。また、支援員が「あ」のカードを指さし、「これ何?」と問うと「あ!」とすぐに答えた。
読めたかどうかを、支援者がどのような提示方法で確認をしたのかを明確に記述しておくことで、曖昧さが回避されます。この場合は、バラバラに提示したこと、「あ」の音声を認識して文字の選択ができたこと、目で見て「あ」を認識できたことを記述しているので分かりやすくなりました。
つまり、「読めた」と判断する際は、
- 「あ」という音を聞いて「あ」の形を選べるか
- 「あ」という形を見て「あ」と発言できるか
「音」と「形」の2つを確認し、どちらもできてから「読めた」と判断します。
伝わりずらい記録例③ 指示理解できた
支援員の指示は理解できていた。
読み進めているうちに分かってきましたね。この記録例はどこが曖昧でしょうか?
「何の指示を理解できたのか」「口頭で指示を出したのか、文字で指示を出したのか」が曖昧なため、具体的な子どもの姿が思い浮かびにくい文になってしまっています。
支援員が「ミニカーをおもちゃ箱に入れて」と伝えると、すぐに行動した。
パート2
短文を読んで適切に答えられた。
「指示」は、口頭での指示(音)と文字や文章での指示(形)の2種類があります。
どちらも難しい場合とどちらかは可能な場合、どちらも可能な場合があるので確認する必要があります。口頭での指示は、何かをお願いするようなミッションにすると、喜んで行ってくれる子どもが多いです。子どもはお手伝いが大好きですからね!
また、口頭(音)+写真やイラスト(形)のダブルでの指示だと分かりやすくなります。
記録って何を書けば良いの?~細かなポイント~
ここまでは、具体例から曖昧な表現はNGということが伝わったと思います。
曖昧な表現から、子どもの姿が思い浮かぶような具体的な表現になっていくと良いですね!下に記録を書く時のポイントをまとめたので参考にしてください。また、私はこういうことに気を付けているよ!という情報も嬉しいです。記事下のコメント欄から是非送信下さい。
私がこの仕事をする前に読んだ本を紹介☆
職種は違うけど、すごく参考になったよ(*^^*)
まとめ
ずらずらと述べてきましたが、記録は未来の自分と他支援員へどれだけ分かりやすく伝えられるかが重要なんですよね。
「記録に書くことがないな…」と感じる際は、支援中の視点を変えてみてください。子ども達を見つめれば見つめるほど内容が湧いてくるはずです。
書くことがないはずがありませんよ!
そう感じる時は、子どもを「みる」ポイントが合っていない場合が多いです。
また、他支援員との情報共有では、ただ記録を見せるのではなく、記録を手掛かりに顔を合わせて情報共有を行うことが望ましいですよね。支援員間でのコミュニケーションも大切です。
Face to Faceってやつですね☆
もし他支援員の記録を見て分かりずらいことや、「もっとこうした方が良い」という提案があれば、支援員同士で話し合いをしてみましょう。一人よりも二人、複数人で考えた方がたくさんの意見や支援方法が出てきますもんね。
守秘義務違反にならないことなら相談にのるからね~(笑)
記録に正解はありません!が、皮肉なことに伝わりずらい記録はあります!
「わかりやすい記録」であれば表現は自由です。
私はいつも他支援員の記録を見て、私も使えそうでわかりやすい表現があればすぐに取り入れています☆
良い記録が書けるよう一緒に発達支援の仕事を頑張りましょう!!
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