学級経営は複合的な要素が絡むものだが、改善の糸口は必ず存在する(3/4)

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この記事は前回の記事、「振り返れば、なぜ高学年の学級が荒れたか、その原因は確かに存在した(2/4)」の続編です。

ここまで見てきたように、僕の学級は荒れました。第2回では、その原因はざっくり以下です。

  • 自分の異動による承認欲求の高まり
  • 褒める回数より叱る回数が多かった
  • 子どもに責任転嫁していた
  • 子からの情報が担任に集まらない
  • 子の悪い情報が担任に集まる
まつお

文字にすると「そりゃ荒れる」って感じですね。当事者は全然気付けないんですよね…。

やまこ

そうだよね。渦中にいると客観的に見れないよね。

僕はその後、6年生に持ち上がることになります。

”漆黒”を経験した者は変わる”きっかけ”を得る

そこから一転して学級経営が安定し、笑顔が多く出るようになりました。

堅い集団から柔らかい集団へと変貌を遂げます。天変地異が起こったように、昼夜が逆転したかのように学級は別物になります。担任を終えた今振り返っても5年生の時の苦しみと6年生になってからの穏やかな日々の違いは、ジェットコースター、いや、もう上手く表現できません。

やまこ

不思議なもんだね

心の友

そこに今、苦しんでいる先生のヒントになるところがあるかもね!

変化した要因にこそ荒れを建て直すきっかけがあったと思います。分析していきますね!

目次

ネガティブ要素が入らなくなり叱らなくなった

異動により職員構成が変わりました。ネガティブな要素を伝えてくる先生が居なくなり、私の耳には子ども達のネガティブな情報が一切入らなくなりました

まつお

これが、僕にとってウルトラ大きかったと思います。

もともと僕は、多少のことは目をつぶってやり過ごすタイプで、細かい指摘するよりもサラっと後から伝えるタイプです。これにより「自分では見ていないのに指導する」とか、「腹落ちしていないまま指導する」みたいなことが無くなりました。当時の僕の最大の失敗点であった「よく分からないのに指導」が消えたことで、自分自身が疑心暗鬼することなく、堂々とできました。

やまこ

そうかそうか。ここから学べることがあるなあ

以前の方の代わりに、若い先生が入ってくれました。

その先生はとても温かく、子ども達と気軽に接してくれる方だったので、雰囲気も明るくなりました。以前は入らなかった子ども達からの情報も、私のもとに入るようになりました。

やまこ

でも、まつおさんはこの事例からものすごく学んだよね。

この失敗事例から学べること

教師は次のような指導を行ってはならない。

❶子どものネガティブな情報をそのまま受け取る

❷自分が見たり、聞いたりしていない情報で指導を行う。

僕自身、めちゃくちゃ学びました。

どうすれば良かったのか

次のようにする必要があった。

❶マイナスの情報を入れてくる先生に情報不要である事を伝える。

❷情報が入った場合には「指導」ではなく、子どもに聞く

特に❷が重要です。今の僕なら聞き取りをチャンスと捉えます。

先生の聞き方にはいろいろありますが、共感的に聞く一択です。指導なんてしません。そうか、そういうことがあったのか。次からこうしたらいいんじゃない?大変だったらいつでも聞くから相談してね!このぐらいの温度感です。信頼を結ぶチャンスと捉える。間違っても適当な情報で強い指導はやってはらならない。僕の心に刻まれた強い失敗体験です。

心の友

こうやって間違いを分析することで指導の軸は作られて教師力は鍛えられていくんですね。

まつお

過去は変えられないから良い教訓にするしかないんです💦
今の子ども達に返していく所存です。

事前指導からの肯定的フィードバックが6年生はやりやすい環境にあった

6年生はさまざまな行事で中心となって活動します。

まつお

~を頑張ろう!みんなで盛り上がっていこう!という目標が自然とできる学年です。

他学年の面倒を見たり、模範になったりですね。5年生に比べて課題の設定が容易です。子ども達も、6年生だから頑張らなくてはと思っていますので、良い方面での活躍が期待できます。

脱線ですが、そういう意味も込めて、5年生担任に光を!という過去に発信もしました

その結果、子ども達が頑張ったことをフィードバックしてあげたり、写真付きで学級便りに載せてあげたりすることで、喜んでくれました。褒められれば人間は伸びます。私達だって同じですよね。

心の友

誰だって褒められれば嬉しい!

これは今の学級経営の柱にもしていることですが、事前指導からの肯定的なフィードバックは学級経営の好循環を生みます。

対照的な「指導無しの叱責」は最恐の悪手

逆に言えば、「指導無しの叱責」は最悪です。

まつお

経験者は語りますよ…。これをすると、習慣化します。叱責なんて誰でもできるんですよ。最も手軽な手段です。

その場合は、自分が指導できなかった落ち度を考えて叱りたくなる自分を律しました。人間は感情の生き物なので、その場で大きな声で叱りたくなったら自分の太ももをつねりました。僕は何度もそうやってつねってきました。

まつお

一時の感情で関係を崩すことは絶対しない。関係性は長期で築く物。短期目線になっては絶対ダメ。こうやって脳で繰り返していました。

そして、自分の太ももをつねれた自分を褒めます。結構有用で、一度これができると怒りをコントロールできるようになるんですよね。だまされたと思って一回だけ挑戦してみてください。

学級の場で「ハッピネス・アドバンテージ」を叶える

ポジティブな言葉がけによってクラス全体の雰囲気を底上げしていくと、学力も伸び、チャレンジ精神も湧く、不思議な好循環が生まれます。これを僕は体感していたのですが、ある書籍と出会って腑に落ちました。その本は、「世界に通用する子どもの育て方」という医学博士、臨床心理士の松村亜里先生のご著書です。

ディスプレイ上にネガティブな気持ちを生じさせる画像が映し出されると、視野が急に狭くなり、画面の端のほうにある画像を見なくなります。ネガティブな思考のときは、生存や安全が最優先となるため、視野が狭まるのです。逆に、ポジティブな感情でいるときは、視野が広がり、広い世界が目に入って来て、挑戦欲が出て、スキルが高まり、心を開いて、人とのつながりができ、さまざまなリソースを形成していきます。子どもは苦しまないと学ばないと考えている人もいますが、人はポジティブな感情のときに学び成長するのです。

世界に通用する子どもの育て方(松村亜里 著)

我々教師が教室で作るべき空気感が分かります。

松村先生の知識が私に勇気をくれました。

会話量の増加が笑顔を生み、場の幸福度が上がった

学級の経営状況は担任本人がよく分かっていますよね。より具体的に見ていくには「会話量」に注目してください。授業以外の会話、どのぐらい子ども達と取れていますか?

まつお

学級経営に失敗している時、全然僕は喋っていませんでした。というか、喋れませんでした。…喋りかけても続きませんでした。

では、どのように改善したのかですが、意図的に回数を増やした訳ではないんですよね。

転機は委員会活動の時でした。計画委員を担当していたのですが子がよく発言するようになったんですね。自分より年上の6年生がいなくなって活動に主体性が出てきたのでしょう

その子の発言量が増えたので、こちらも彼女に相談したり提案したりするようになりました。そのやり取りにつられて他の子もよく喋るようになっていきます。

やまこ

友だちが喋ってたら自分も話しやすいもんね

会話が増えることで、冗談も増え笑顔が増えます。会話→冗談→笑顔の連鎖が好循環を生みました。こんな記事を書いておきながらですが、私は6年生という立場に助けられたのだと自認しています。

今の私なら、会話量が大事なことに気付いたから少し早く教室に行って話しかけたり、険しい表情しないで笑顔を作る努力をしたり、ドラマ見てストレスを減らしたりして、会話量を増やす努力をすると思います。

学級経営は多面的で複合的。トライ&エラーの繰り返し

学級経営は多面的で複合的な難題。

過去を辿ってみると、5年生の時も確かにいろんな指導はしていました。でも好転はしなかった。

心の友

学級経営って本当に難しいんだね

学級経営は多面的で複合的な物です。あれをやれば成功するなんて容易い物ではありません。僕は上で挙げた3つが絡み合って状況が改善していったのだと思います。

この頃でしょうか、計画委員長をしていた男の子が言いました。

「まつお先生、5年生の頃めっちゃ怖かったよね」

心の友

恐怖心を与えてしまっていたんだね

ああ、僕は指導、指導、指導で子ども達のことなんて見ていなかったのだな。職員の中でどうみられるかとか、学級組織を正しく運営しなきゃいけないとか、管理職に迷惑をかけないようにとか、ベクトルがあちこちを向いていて、子どもの方を向いていなかったんだとその子の言葉を聞いて猛省しました。

まつお

子ども達の声は正直ですね。

卒業させた今でもあの言葉が僕の心に刻まれています。

まとめ;失敗した原因の裏返しこそ「成功の種」になり得る

上述の通り、学級経営は多面的で複合的なものです。しかし、私は成功の種は確かにあると思っていて、それは冒頭に書いた失敗原因の裏返しだと思います。

  • 自分の異動による承認欲求の高まり
  • 褒める回数より叱る回数が多かった
  • 子どもに責任転嫁していた
  • 子からの情報が担任に集まらない
  • 子の悪い情報が担任に集まる

これを反転させます。

  • 承認欲求を消し去ることはできないことの自認
  • 子どもの成長を短期的に叶えることなど無理だと自認
  • 教師の目標ではなく子どもの姿からの目標設定
  • 設定→目標達成→ポジティブフィードバック
  • 子の責任にする前に、お前にできることはないかと問う
  • 子のネガティブな情報は受け付けない、無視する

僕が荒れた学級経営から立ち直って、辿り着いた結果です。どこか一つでも、皆さんのお役に立てればこの上ない喜びです。僕の失敗体験が、どこかの学級の雰囲気向上に1mmでも繋がれば本望です。

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この記事を書いた人

家計管理と資産運用に取り組む現役の小学校教師。将来はサイドFIREを目指して資産作りに努めている。2021年に第一子誕生し、父親となる。教師の幸せな働き方を追求すると共に、教職からの脱出を試みている。

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