こんにちは、まつお(@matsuo_edu)です。
初任者の皆さん、どうやって子ども達を導いていけば良いか不安な気持ちになっていませんか?
最初はドキドキだったなあ…
初めのうちは上手に学級経営が出来なくて当然です。知識と経験が無いんですから。重要なのは「小手先のテクニック」ではなく、学級経営を進めていく上での「教育観」を教師自身が身に着けていくことです。
大丈夫、皆さんも教育観が身に着けられます!
その教育観が確かなものになれば、対応がぶれず、楽しい学校生活が待っていますよ。応援しています。
大切なことは本から学んだ
残酷なことに、経験年数を積めば確かに学校生活は回していけます。
この時期に通知表を書く、行事の準備をするというのは学校の流れの中で見通せるようになるためです。しかし、教師を「ただこなしただけ」では、満足な学級経営は未来永劫できないでしょう。そこに教育観はあるんか?です。
芯のない教育は良くないよね。
学級経営については同僚から学べば良いじゃない?と思うかもしれませんね。確かに、同僚の姿勢からは非常に学べます。しかし、表面に出てくる行動が「どんな考え方から生まれているのか」その深い所は学べないのが実際の所です。
だから、最終的には、本などの文字から学ぶことが必須だと私は思っています。
表面的な指導の技術は後からでも良い。子どもの前に立つうちに上手くなるものです。今回、紹介する本を読んだ後には、来年度に子ども達と出会うのが楽しみになることを願っています。
買うのはちょっとな~という学生の方がいらっしゃったら、Kindle Unlimitedにも無料の教育書が多数ありますのでまずはこちらから読んでみてはいかがですか?
世界に通用する子どもの育て方-成功するから幸せではない
ニューヨークライフバランス研究所代表を務めていらっしゃる松村亜里さん(医学博士・臨床心理士)の本です。
最初にこの本を紹介します。僕が最近(2022年~2023年3月)に読んだ教育に関する書籍の中で最も価値があった本だからです。他の方にとってもそのようですね。この凄すぎるレビューが物語っています。
本書では、世界に通用する子どもを次のように定義しています。①世界中どこにいても幸せで②自分の強みを生かして人を幸せにする子です。人はどうしたら頑張れるのか、成功するから幸せなのではなく、幸せだから成功するのだ。私達教師は究極的に子ども達に幸せになって欲しいじゃないですか。
子育ての本ですが、学級経営にも非常に生きる本です。例えば、本書では「よし、次も頑張るぞ、やれるぞ」という気持ち、しなやかなマインドセットの育て方という項目があります。その中で親側のすべきことが3つ、具体的に示されています。
- 能力は伸びる事を伝える
- 能力や結果ではなく行動やプロセスをほめる
- 親が失敗を悪いものとして扱わない
多分、これだけ見ると「当然でしょ」って思いますよね。分かりますよ…。この本の良さが伝えきれないのがもどかしい!!!
松村さんはエビデンス付きですべての主張を解説してくれているので心の中にすーっと入ってくる感覚があります。言い方が変かもしれませんが、読みながらカウンセリングを受けている感じでした。
子どもに関わる全ての人に自信をもって届けられる一冊です。
「非認知能力」の育て方-心の強い子どもへ
最初に紹介するのは「非認知能力」の育て方です。家庭教育の本ですが、子どもと接するすべての方に勧めたい一冊です。この本に出てくる「非認知能力」は、偏差値のように数値で測れる能力ではなく、心の強さや立ち直る力、自己決定力、自己肯定感などの、数値では測れない人間力のことを言います。
この本の良い所は、どんな非認知能力が大切かとセットで、どうやったらその能力を伸ばせるかの具体的なポイントが書いてあることです。例えば、家庭で子どもの自己肯定感を高めるには12個の方法を紹介しています。例えば、乳幼児期などの早期教育では、学習面を強化しても、IQの数値を短期間高めるだけで、長期的に高めることにはつながらないというシカゴ大学のヘックマン教授の研究結果から出発しています。
世の中に意味を見出し、前向きに、柔軟に生き抜く力を持つ子ども達に秀でていた能力が「非認知能力」だったそうです。確かに「幸せな人=能力がある人」ではないですよね。逞しさや立ち直る力、人との関係が上手に作れる人は学力とは違う能力が高そうです。
教師は、テストで数値化される能力を評価しがちです。興味深いのが、非認知能力が高い子にとって、テストの点数を取ることなんて苦にならないよという話でした。
非認知能力を育てるために家族がすべきこと、すべきでないことが書かれた本書ですが、教師にも是非お勧めしたいです。書ききれない魅力を感じ取ってください。
嫌われる勇気―アドラーの教えを教育へ
こちらも人気中の人気!詳しくは以前の本紹介で記入していますのでご覧ください。
僕の中ではバイブルになっています。
すごく対応が難しい子どもを担任したことがあるのですが、その時にとても救われました。学級経営で困った時に自分を救ってくれた一冊。
他人の人生を生きるな、課題の分離をしろ、賞罰教育をするな…読み進めていく中で、困った子の悩みを僕が抱え込みすぎるべきではないと思いました。僕の課題ではないと思ったわけです。それまで全部、教師である僕が抱えていましたが気持ちがぐっと楽になりました。
ただ、アドラー心理学は実現が難しいです。何度も何度も読み返しながら、自分の教育をアップデートしていきたいので何度も再読しています。
君たちはどう生きるか―明確に生きろ!!
お次は、子ども達に向けた哲学書「君たちはどう生きるか」です。コペル君の名前でも有名ですね。僕が最も好きなのは、「人間であるからにはー貧乏ということについて―」という内容です。
貧乏な豆腐屋さんの浦川君は、よく授業中に寝ている子でした。その子が学校を欠席したという始まりでした。寝たり欠席したりした理由も仕事を手伝う必要があったから、ここから人生において大切な考え方が出てきます。
考えてみたまえ。世の中の人が生きてゆくために必要なものは、どれ一つとして、人間の労働の産物でないものはないじゃあないか。…君自身は何をつくり出しているだろう。世の中からいろいろなものを受け取ってはいるが、逆に世の中に何を与えているかしら。改めて感がるまでもなく、君は使う一方で、まだなんにも作り出してはいない。
君たちはどう生きるか 吉野源三郎 p.150-151
僕がブログを通して情報発信をしていこうと強く心に考えたのも、一つこの本の影響もあります。
世に対して何を与えられるか、この時代で、この環境で、子ども達に私達が残せるものは何か、考えさせられる一冊でした。漫画版もありますが、僕は文字だけで読みました。
ニュータイプの時代-令和の社会人として
この時代について、考えさせてくれる一冊です。昔の、物が少ない時代には「問題」が山積みだったから、問題解決ができる人が求められた。例えば、パソコンを使える人が少ない世の中であれば、パソコンを扱える人が希少な人材として求められるわけですからね。
確かにそうだよね。
現在では物があふれたことで、時代の価値観が変わりました。生活は物資で満たされている今においては逆に「問題」が少ないと筆者は言い切ります。
それって、いいことじゃない?
生活は向上しましたよね。
解決すべき目に見える「問題」は減り、自分で問題を発見し新しく意味を作れる人やコンテンツに価値が集中する。アップル社が、iPhoneによって便利という以上にあの制作美によって独特の価値を与えたようにです。無類のapple信者が生まれているように、それ固有の価値をもった物が強いんですね。
僕はこれを読んでいて職員室でのふるまいを考えました。
と、いいますと。
「役に立つ」を突き詰めると、一番便利な先生が優位に来て、その先生以外の存在価値は無くなってしまいます。検索エンジンがgoogleやyahooで寡占されているようにです。
しかし、「意味ある先生」では、それぞれが優位性を持てる。そこから発生した考え方がこちらでした。
教師としても、投資家としても凄い方々は山ほどいる。ブログのキーワード選定と一緒で、教諭×投資家だからそこに意味が生まれる。役立つ市場では、凄い教員と凄い投資家さえいれば良いけれど、意味ある市場で生きていきたいな。
— まつお🔥教員の投資家 (@matsuo_edu) March 10, 2020
僕の場合は、職員室で「ICT能力×効率化」でポジションを、インターネット上では「教員×投資家」としてポジションを築いていこうと思った一冊でした。時代背景を知って、戦略的に生きるために読んで損はない一冊です。
戦略的に教育現場を乗り切ろう!
四月からワクワクしている教師の卵の皆さん、学校現場を是非楽しんでください。
ロケットスタートを切るために、この数週間は知識をインプットすることをお勧めします。残念ながら現場はめまぐるしいので、仕事始めてからはゆっくり読み込む時間が取れないと思います。
だ・か・ら! 今がチャンスです!
- 世界に通用する子どもの育て方(松村亜里 著)
- 非認知能力の育て方(ボーク重子 著)
- 嫌われる勇気(岸見一郎 著)
- 君たちはどう生きるか(吉野源三郎 著)
- ニュータイプの時代(山口 周 著)
それでも、過去のまつおさんみたいに「無料じゃないと読まない!」という人はこちらからどうぞ
最後になりますが、教師は自分の経験を力に変えることができる職業です。本や映画などで心を洗ったり、自然を満喫したり、旅行をしたり、ライブに行ったり、そんな日常から豊かな人間になれたら幸せですね☺
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