通知表を書く参考に、所見文例が欲しいと思っていませんか?道徳の所見は他の所見と違い、比較的容易に書くことができます。この記事では、文例を掲載すると共に通知表配付の直前で困らないよう、僕が取っている作戦も紹介しますのでご活用ください。
もしまだ締め切りまで時間があるなら、所見作成でこちらが有用ですよ!
道徳所見のコツは授業中の思考を拾う
道徳所見の方向性について文部科学省が資料を出してくれています。詳細は以下の画像をご覧ください。
特に、「①見方の広がり・深まりを見取ること」「②道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めること」について、私たちは子ども達の以下のような言葉に注目すれば良いのではないかと思いました。
- 話を聞いて意見が変わりました
- 今までは~と思っていたけれど改めて(やっぱり)~と思いました
校内ルールの確認「文字数」や「書き方」に注意しよう
大前提ですが、各校で通知表の書き方のルールが違います。ソフトによって文字数も違うので、まずは自分の作る通知表の文字数を確認しましょう。
↑で基本を確認!では、所見文例を見てみよう
特別な教科「道徳」小学校3年生の所見文例
文例を集めました
公共の場を大切にすることについて考えた「あめ玉」では、妹の落とした飴玉を拾った女の子の姿から、自分の過失でなくても拾ってあげられるような温かい人になりたいと考えることができました。
「あめ玉」では、暇になってしまった妹のために飴をあげた行動は、電車の中だったので悪いけれど妹の代わりに拾ったのは偉かったと、公共の場をきれいに後片付けする大切さを考えることができました。
ルールはいかなる場合も守るべきか考えた「目の見えない犬」では、「可哀そうにしていて命を落とすかもしれない人や生き物がいたら、ルールでも諦めないようにがんばりたい」と考えることができました。
ルールはいかなる場合も守るべきか考えた「目の見えない犬」では、ルールよりも命が大切だから逃げてきた犬がいたら助けたい、助けることを途中で辞めないと考えるなど、命の大切さを考えることができました。
お互いを助け合う気持ちを持つ良さについて考えた「貝がら」では、訛りがきっかけで会話が少ない男の子を可哀そうに思い、自分ならいっぱい遊んで関わって仲良くなっていきたいと考えることができました。
お互いを助け合う気持ちを持つ良さについて考えた「貝がら」では、訛りがきっかけで会話が少ない男の子を可哀そうに思い、自分だったらいっぱい喋りかけて友達になりたいと、進んで交流する良さを感じることができました。
相手が怒っていても正しい行動を行うことの是非について考えた「審判は自分達で」では、友達に文句を言われる時があるかもしれないけれどその文句に負けないで、ルール通りに正しくやった方が良いと考えることができました。
相手との関係性で正しくない審判をした事例について考えた「審判は自分達で」では、「自分たちのことじゃなく、みんなのことを思って行動していきたい」とみんなで取り組むことの価値について考えることができました。
相手が怒っていても正しい行動を行うことの是非について考えた「審判は自分達で」では、「怒っていてもルールを変えないで笛を吹くべき」と考えたように、自分は正しい行動をしたいと考えることができました。
「審判は自分達で」では、2年生と行ったドッジボールでルールを守らなかった人がいた事を思い出し、ルールを守らないと面白くないことを改めて感じ、ルールを守る必要性を考えることができました。
節度を守る事について考えた「金色の魚」では、命令口調でどんどんおじいさんにお願いをするおばあさんの姿と、頼まれたら何でも許すおじいさんの姿の双方をダメだと考え、優しすぎもわがままも良くないと考えることができました。
節度を守る事について考えた「金色の魚」では、欲張りすぎた上に、人に怒鳴っていたおばあさんの姿から「私は欲張りになりたくないから気を付けたい」と考えることができました。
節度を守る事について考えた「金色の魚」では、欲張りでおじいさんに命令するおばあさんの姿から、欲しい物があるなら人に頼むのではなく自分で手に入れるための努力をすることが必要と考えることができました。
命の重さについて考えた「ひきがえるとロバ」では、小さいカエルに石を投げる子ども達の様子から「いじわるしないで無視する。助けたロバのように親切にしたい。」と小さな命も大切にする気持ちをもつことができました。
命の重さについて考えた「ひきがえるとロバ」では、動画投稿サイトで遊びのような感じで命を粗末に扱う動画を見た経験を思い出し、かけがえのない大切なものだから自分は大切にしたいと考えることができました。
命あるもの全ての大切さについて考えた「ひきがえるとロバ」では、体の大小に関わらず命の大切さは同じと言ったロバの言葉に感銘を受け、命を大切にしたいという気持ちを再確認することができました。
自分本位の親切と真心の親切について考えた「フローレンス物語」では、お年寄りでご飯を欲していなかった可能性に思いを馳せ、真心のこもった歌をプレゼントしたことは良かったと考えることができました。
「あと、ひと言」では、危険な遊びに誘われた場合には「やりたくない」と断ることが必要だと考えることができました。友達から誘われても正しい判断をすることが大切だとよく理解できました。
「あと、ひと言」では、危険だと思ってブロックを登るのを止めた男の子の事例から、自分が誘いを断るだけでなく、友達にも登っちゃダメだよと危険な事を伝える必要があったと考えることができました。
「あと、ひと言」では、自分は危ない誘いを断ったが友達がケガをした事例から、「違う場所で遊ぼう。ブロックは危ないから使わないようにしよう。」と理由も添えて提案すると良いと考えることができました。
相手を大切にすることについて考えた「友達の呼び方」では、自分が「●●」と呼ばれている事から、相手に確認を取って嫌な気持ちにならなければあだ名は良いと感じ、相手がどう思うかが大事だと考えることができました。
相手を大切にすることについて考えた「友達の呼び方」では、呼び捨ては相手を大切にしていない感じがすると考えました。呼び捨てはダメだと考え、友達の名前の呼び方を改めて考えることができました。
「友達の呼び方」では、良いあだ名はそのうち仲が良くなると考え、悪いあだ名や呼び捨ては嫌われるし相手が嫌な気持ちになるから自分はやらないと、相手を思いやる大切さを考えることができました。
参考になる文例はありましたか?
中学年の道徳「通知表所見」を作るための工夫
さて、ここからは具体的に、僕が取ろうとしている作戦を紹介していきます。
通知表配付の直前になってから何を記載しようか困らないよう、児童の学習成果を蓄積しておく必要があります。
道徳は「話し合い」の時間が長い教科ですが、最後の振り返りは必ず紙に書くか、デジタルに入力させたものを印刷し紙の形式で保存するようにします。ファイルに閉じこめば学びのポートフォリオができます。
特に中学年はこの後の❶ワークシートをポートフォリオにするがお勧めです。
①ワークシートをポートフォリオにする
デジタル全盛期ですけど、僕は手元に資料があった方が良いので、印刷しています
振り返りを書かせるのは、子どもが「何を学んだか」をメタ認知させる上でも、教員が通知表の職責を果たす上でも大事ですね。ただ、このファイルに閉じこんでポートフォリオ化するのは、一つ困り事が出てきます。
学期を振り返ってどの授業が最も心に残って深く考えたかが出てこないという点です。せっかくの所見ですので心が動いた単元を評価してあげたいものです。
おそらく経験の浅い教師は
- 授業中の発言が活発だった教材で書く
- 文の量が多い教材について書く
上のどちらかで記載する題材を決めているはずです。
感覚で選ぶことはできますが、どうせならその子の心に響いた題材を取り上げて所見を書きたいです。
そこで、次の作戦を取っています。
②35時間分の振り返りを1枚のExcelシートにアウトプット
道徳は年間35時間です。振り返りを、タブレットを使ってExcelに入力させる方法を取ります。
年度初めに以下のような全教材のタイトルが入ったシートを作成します。僕の勤務自治体は「teams」を使っているので、「道徳チャネル」を作り、「ファイル」にこのファイルを人数分複製します。
これで準備完了です。後は、授業ごとの振り返りを毎回このシートに入力します。
6年生では「100文字以上ね」と制限を加えると、3分もあれば入力が完了します。鉛筆では書けなかった文字量や思いを書いてくれています。
題材名を変えればどの学年にも対応できるね。
時期が来たら僕が印刷して子どもに渡します。
「どの教材が心に残った?」と質問し赤ペンで丸を付けさせています。これで濃密な通知表データが手に入ります。
③通知表の時期には道徳アンケートを実施し「印象深い教材と変化」を可視化する
先ほどの内容と被りますが、時期が来たらアンケートを取るのも良いと思います。振り返ってどの学習が心に残っているのか、理由とセットで聞けば情報が手に入ります。
僕は以前からこの方法を取っていましたが、どうも抽象的な、言ってしまえば誰でも言える正論を書いているばかりで「その子らしさ」が出ていませんでした。
なぜか原因を考えてみると…思い当たりました。
その点、すでに全授業の振り返りがシートにまとまっていれば子どももどんな授業だったかが思い出せるので、最後のアンケートも書きやすくなると思います。
まとめ:通知表を楽に書くには事前準備が必要です!
このページにたどりついた皆さんは、道徳の所見の文例に使えそうな内容はないかなと検索されてきたと思います。
そんな方に恐縮ですが、一番手っ取り早く所見を書くコツは、学級の子ども達の振り返りをそのまま二次利用することです。今回は、僕が取ろうとしている「年間ふりかえりまとめシート作戦」を紹介しました。
子ども達の思考が蓄積されたものが手元にあるかないかで書きやすさは変わってきます。今回の記事が次に所見を書く時の参考になっていれば幸いです。
3年生の学習・生活の所見(総合所見)
通知表所見に関する記事をまとめましたのでご活用ください。
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最後までご覧いただきありがとうございました!
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