前の小単元では、実際に水を流す実験を動画で撮影し、浸食・運搬・堆積の働きを確認する学習を行いました。

今回は続き。実験で学んだ流れる水の働きが、実際の自然の川ではどのように見られるのでしょうか。
山の上流・中流・下流では、水の流れ方や川幅、石の大きさや形などに違いがあります。また、川のカーブの内側と外側でも、浸食や堆積の様子が異なります。今回は、こうした自然の川の様子を動画で観察し、一人一人が自分のタブレットを使って学習を進める授業を実践しました。
単元構成について
- 地面を流れる水-浸食・運搬・堆積の働きについて
- 【今日】山の中や海の近くの流れの速さや石の大きさ、内側外側の浸食の力
- 流れる水の量が変わるとき-洪水、雨量による浸食などの破壊力の違い
それでは見てみましょう。
教科書の写真だけで、本当に理解できるだろうか?
やまこ今回の学習では、次のような内容を扱います。
- 山の上流は川幅が狭く、流れが急になっている。
- 山の上流には、大きくてごつごつした角ばった石が多い。
- 下流に向かうにつれて、石は小さくなり、丸みを帯びたものが多くなる。
- 下流では川幅が広くなり、流れが緩やかになる。
- 川のカーブの外側では、流れが速く、浸食によって崖になっているところが多い。
- 川のカーブの内側では、流れが緩やかになり、土砂が堆積しているところが多い。
もちろん、教科書にも上流・中流・下流の写真が掲載されています。石の大きさや川幅などを比較できるように工夫されています。しかし、私は写真を見るだけでは少し不十分だと感じています。
実際の川の流れはどうなっているのか。水はどれくらいの速さで流れているのか。大きな石が転がっている上流と、砂が広がる下流では、どれほど景色が違うのか。
やはり、実際の自然の様子を動画で見せて、子どもたちにその違いを感じ取ってほしいと思いました。
そこで、今回も一人一台端末を活用します。
今回活用した動画はこちら!
今回活用したのは、「おかやま まなびとサーチ」様が公開している動画です。
「川の様子を見てみよう」
この動画では、実際の川の様子を見ながら、上流・中流・下流の違いや、川の内側と外側の様子などを確認できます。
国土交通省も360度のVR動画を公開しており、そちらも教材として活用できます。ただ、個人的には今回紹介した動画がおすすめです。その理由は、子どもたちに見てほしいポイントを、映像に合わせて説明してくれていることです。



単に川の映像を見せるだけではなく、何に注目すればよいのかが分かるため、学習に取り入れやすいと感じたんだよね。
一人一台端末で、動画を見ながらワークシートにまとめる
今回の授業では、動画を一斉に見せるのではなく、一人一人が自分のタブレットで動画を見ながら、ワークシートに気付いたことをまとめていく方法を取りました。
動画を見て、気になったところを確認し、ワークシートに記入する。
自分のペースで映像を見ながら、学習を進めていきます。
ここで大切にしたのは、何となく動画を見るのではなく、何を見て、何をまとめるのかを明確にしておくことです。
今回のように、上流・中流・下流の違いや、川の内側と外側の様子など、観察する視点をあらかじめ示しておけば、子どもたちは自分で学習を進めることができます。動画を見ながら、教科書の写真だけでは分かりにくかった自然の川の様子を、より具体的に捉えられるようになります。
川の外側、内側の流れの強弱は「水中砂山くずし」の動画がおすすめ
外側が速い、内側が遅いと言われても子ども達はピンと来ないかもしれません。そんな時、この動画を見れば解決します。少し古い動画だと思いますが、それでも内容がバッチリです!
イヤホンがなくても、個人で動画を見ながら学習できる!
今回の実践で、少し工夫が必要だったのが音声です。



実は、私のクラスには一人一人にイヤホンがあるわけではありません。
通常、動画を個人で視聴する場合、イヤホンがないと周囲の音が気になってしまうことがあります。しかし、今回はその環境でも問題なく学習を進めることができました。もちろん、教室にはいろいろな音が聞こえてきます。他の児童が見ている動画の音声も聞こえてきます。
それでも、子どもたちは自分が何を学ぶのかを理解していれば、必要な情報を聞き取りながら、学習を進めることができます。ここで改めて感じたのは、子どもたちに「何を学ぶのか」を明確にしてあげることの大切さです。
ICTを活用すれば、子どもたちが自然と学習に向かうわけではありません。
どんな視点で動画を見るのか、何を見つけてほしいのか、どんなことをまとめるのか。
教師が学習の目的を明確にしておくことで、一人一人が自分のペースで学びを進められるようになります。
一人一台端末の環境が整えば、理科の学びはもっとダイナミックになる!
ここまで、一人一台端末を活用した理科の授業を紹介してきました。
ただ、実際に授業で活用してみると、端末やネットワーク環境について課題を感じることもあります。一人一台端末が導入されたとはいえ、児童全員が動画などの容量の大きいファイルを快適に扱える環境が整っているとは限りません。
動画を再生するたびに読み込みが発生したり、複数の児童が同時にアクセスすると動作が重くなったりすることもあります。今回の動画は360度のVR映像です。子どもたち自身が見たい方向に視点を動かしながら観察できることも、大きな魅力です。そのため、可能であれば動画をダウンロードして配付するよりも、YouTubeのリンクから直接視聴できる環境が理想だと感じています。



全員に良好なWi-Fi環境を…くれ!!
ただし、動画のダウンロードや児童への配付を行う場合は、YouTubeの利用規約や著作権、学校での利用条件を確認し、公式のダウンロード機能や権利者の許諾など、適切な方法を選ぶ必要があります。
今後、学校のネットワーク環境がさらに整い、一人一人が動画やVR教材をストレスなく活用できるようになれば、子どもたちの学びはもっとダイナミックになるはずです。一人一台端末は、単に紙の教科書をデジタルに置き換えるためのものではありません。
実際に行くことが難しい場所を映像で体験したり、自分のペースで何度も確認したり、気付いたことを自分なりに整理したりするための学びの道具です。



我々教師も、こうした新しい学習環境の可能性を生かしながら、授業をつくっていきたいですね。
今回使用したワークシートのダウンロード(編集の仕方も!)
今回の授業で使用したワークシートを公開します。
実際に授業で使用したものなので、必要に応じてダウンロードしてご活用ください。


自分のクラスに合わせて編集したい場合には、Canvaにアップロードして編集する方法がおすすめです。マジックレイヤーを活用すると、画像化された資料でも文字や図形などを編集しやすくなります。
どんな資料でも、修正が効くようになるので、これを覚えておくと便利!
ぜひ、日々の授業に取り入れてみてください。
- 地面を流れる水-浸食・運搬・堆積の働きについて
- 【今日】山の中や海の近くの流れの速さや石の大きさ、内側外側の浸食の力
- 流れる水の量が変わるとき-洪水、雨量による浸食などの破壊力の違い


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