小学校の5、6年生ともなれば自我が芽生え、自分で物事を判断する機会が増える時期です。
一般的に思春期と呼ばれる次期に入り、指導の難しさを感じる年代でもありますね。教師としては、指導する時数も多く負担感も特に強い学年ですが、面白さは格別の物があると思っています。今回は、私まつお(@matsuo_edu)が思春期と向き合う際に気を付けていることなどをまとめていきますね。
それではどうぞ、よろしくお願いします。
高学年女子の特徴 人間関係が難しいが男の先生でも大丈夫!
学級懇談会などで話を聞くと、女子児童は高学年になってもパパやママに学校でのあれこれ、友達同士のトラブルについてたくさん話をしているようですね。男性は成長と共に内側に隠し通そうとするものですが、女性は比較的そのあたりがオープンですよね。
まずは高学年女子の大まかな傾向を挙げてみます。
・トラブルがあるとまず共感して欲しい。
・自分の仲間を増やすことに必死である。それ故に排除もあるのが現実。
・情報を人に話すのが大好きで噂も大好き。恋愛話に目がなくキラキラと見えている
反抗期でも「分かって欲しい!」共感を求める高学年女子
慣れた人には高学年女子はべらべら喋ります。本当によく喋ります!!プラスな内容も、マイナスな内容も口に出すことで精神的安定を図っている気がします。
やまこちゃんったら、炊飯活動の時、全然私の言う事聞いてくれなくてさ。一人でテントの中で夜泣いてきたよ!その時は悔しかったけど、今になってみたらなんだか腹が立ってきたな。ひどいよね!(宿泊学習の時の体験より)
男性は論理的、女性は感情的だと言われますが、この年代から既に違いがあるんだなとよく思っていました。自分の周りの人に「共感してもらいたい」という欲求が強いのが高学年女子です。じっくり話を聞いてあげるとすっきりした顔を見せてくれます。その顔を見てこちらもほっとするわけですが…。
一人にだけ話を聞くと「えこひいきだ!」と言われかねないので、トラブルがあった子みんなから話を聞きます。もちろん、誰にも言わないよと伝えた上で話をしていました。女の子達には、時間を取ってしっかり話を聞き実績を積み上げていくことが信頼を作る第一歩だと思って接していました。
自分の仲間を増やすことに全エネルギーを注ぐ高学年女子
多くの小学校では5年生に上がる時にクラス替えがあります。最低限の社会性を身に着けている高学年では男子も女子も悪目立ちするようなことは控えるようになります。最初は比較的静かにしている子が多く、周りの様子を伺いますね。
ところが、1か月も経つと変わります。
学校生活で誰と行動を共にするか、言い方を変えれば誰の味方になるか、そういう変な縄張り意識を見せるようになります。学校はいろんな人と関係を作る方法を学ぶ場所でもありますから、この特徴を使って人間関係の作り方を学んで欲しいと思っています。こういう風になってきたら、私は席替えを取り入れています。
ふふふ、人間関係が固まってきたから、ここらへんで席替えをしてみよう。固まってきたものを白紙に戻すのじゃ…!
ここで大事なことを一つ。
案外、子ども達も「固まった人間関係を破る瞬間」を待っています。
外発的なきっかけがないと、「この人とつるむのやーめた」なんてよっぽどの強者じゃないとできませんからね。そういう意味では、あの子たち仲良いなと表面的な所で判断するのではなく、心の内側を掘り出すような関わりを作っていくことが必要になります。人間関係を注意深く見続けることも我々の大事な仕事ですね。ここを疎かにすると膨大な時間を後処理に費やすことになりますよ!
普段から、信頼貯金を貯めていきましょう!
「恐ろしい!」高学年女子を通じて家庭へと筒抜けの情報
私は、女子と話すとき全部保護者に伝わっているんだろうなという覚悟を持って話をします。言葉使いから態度まで、彼女らは事細かに覚えてますから。
そして、男にはない視点で分析してきますので厄介なものです(笑) 誰から見ても適切な対応を、そこはプロとして作っていかなきゃなと思っています。
保護者の皆様!逆に、保護者の口癖や家でのことも担任にべらべら言っていますよ(笑) パパとママが喧嘩して包丁飛んでた…なんてすごい話も平気でするのが子どもって存在です!
高学年男子の特徴 反抗するもまだまだ可愛いもの
一方で、高学年男子はやんちゃ盛り。友達とくだらないことで遊ぶ様子もありますが、髪型にこだわったり、外見を意識し始める時期でもありますね。特徴がやっぱり違いますので、高学年女子とは違う対応をしています。僕が高学年男子を担任して感じた特徴は以下の通りです。
・トラブルなどを「家の人に知られる」ことをとても嫌がる
・第一に物事の解決を。第二に気持ちのフォローを行うと良い。
・高学年男子と言えどもママが大好き(笑)二日離れると寂しがる。
基本的に男というのは甘えたい生き物なんです。
学校での自分を家の人に知られたくない高学年男子
お家の人に言われることを嫌がるようになります。ポジティブな事ならいくら伝えても良いのですが、トラブルの後などに連絡されることを嫌がります。私もそうでした(笑)
担任をしていると生徒指導上、どうしても保護者に伝えなきゃいけないことはあります。子ども達の成長を願えばこそ、家庭と連携を取って改善をしていくことは必要ですからね。ただ、伝えなくても良い内容もあります。そういう時は信頼関係を作るチャンスだなあと黒い心で思います(笑)
今回のこと、お家の人に先生からお話させて貰っても良いかな?(大抵「え…」みたいな顔になる)あら、やっぱ嫌かな。その気持ち先生も分かるから今回は連絡しないでおくね。その代わり、今日の失敗を生かして生活をがんばっていくんだぞ!
なかなかに腹黒いと思っているのですが、こういうのが子ども達には効きます。秘密を共有しているわけですからね。先生ちょっと僕のこと、信頼してくれてるのかな?なんて思ってくれたらそれで良いです。こんな風に、心理状態を逆手に取って関係を構築していきます。
共感を求める女子に対して物事の「解決」を求める高学年男子
高学年男子の場合は、自分に共感して欲しいという思いより、快適な生活を送れなくなっている障害を何とか無くしたいと思っている感じを受けます。ですから、「辛かったんだね」なんて言葉をかけてもあまり響きません。私は次のように対応しています。
周囲の子からも事実確認を済ませた後で)太郎君が蹴ったことについては、暴力行為だから先生から話をしてみるね。やまと君が今回のことで考えた事はどんなことだった?次に生かせることは見つかったかな?
解決するために先生が取る行動を伝えて、自分の行動をふりかえらせるようにしていました。
外での素っ気なさは成長の表れ~結局ママが好きすぎる高学年男子~
だんだん人前で恥ずかしがって、家族とのコミュニケーション部分を見せないようになっていきますよね。悲しい事ですが、成長の一環と思えば致し方ありません。では、家族のことが嫌いになったのでしょうか?そういう訳ではありません。面白い姿を見たので紹介します。
昔は授業参観で手を振ってくれていたのに
宿泊学習の時、二日間テントに泊まりました。大雨の中、ウォークラリーで歩き回っていると、ある男の子が急に言いました。「ママに会いたい!」
するとみんなが連呼。ママに会いたい!ママに会いたい!
担任の僕は笑いました。普段はそんなこと見せないくせに…と思わず笑ってしまいましたが子ども達はママが大好きなんだなあと改めて思いました。
高学年と言っても抱きしめられることは大好きです。安心感を持ちます。是非、友達や他人から見えない所で存分にスキンシップを図ってあげて欲しいなと思います!
性格の違いはあれど…
今日は高学年女子と男子の違いを書いてきました。私が受け持った子ども達の特徴をまとめてみて、男女の性格の違いはあれど可愛い子ども達だったなあと懐かしくなりました。
大事なことは、一人一人と向き合う事!大まかな特徴を認識した上で、個を見つめていくことを大切に子ども達と関わっていきましょう!
当ブログではその他、教育についての記事や投資についての記事を執筆していますのでご覧いただければ嬉しいです^^
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