個人面談で保護者との結びつきを強くするための仕事術について紹介します。
教師にとって難しい保護者対応の一つ、個人面談…。
個人面談何を話そうかな。子ども達の本当のことをズバッと言うのも気が引けるし、かといって嘘をつくわけにもいかないしね…
初任者の頃の私はこんな感じでした(笑)なんとも頼りないですね。その悩みを解決するための、たった一つのポイントが「証拠を示すこと」です。
この「証拠を示す」ことを意識するだけで個人面談での保護者からの信頼度はアップすること間違いなしです!!
こちらは先生向けの記事です。保護者が気を付けるポイントは下の弊ブログ記事をご覧ください。
本記事では、個人面談のノウハウを記しますが、最も重要なのは教師側のマインドです。
その根本は「礼節」にあると僕は考えています。今は個人面談の直前で読めないかもしれませんが、教師として生きていく上で重要なので是非一度、こちらの書籍を読まれることをお勧めします。良書です。
個人懇談のポイント「証拠攻め」で価値ある面談にする!
教師側の気持ちの持ち方として、個人面談をその場しのぎで何とかやり過ごそうなどとは思ってはいけません!!
その場しのぎはダメだと言っても、一体どんなことをしたら良いの?日々の子ども達への指導もあって、大それたことはできないよ?
言葉だけでは誤解を生む可能性があることを理解する
保護者は学校での様子、授業への参加態度や理解度は子どもの話を通じてしか入ってきません。ですから、教師が見た事実を伝えていきましょう。ただ、言葉だけで伝えるには説得力が足りません。説得力がない上にマイナスなことを伝えてしまうと…
意図せず、保護者とぎくしゃくした関係になることがあります。
先生はうちの子が計算力があまりないから…って話をしていたけど本当にそうなのかな?なんだか嫌な気持ちになっちゃったわ。
しかし、証拠を伝えながら話をするだけで保護者の中に納得が生まれます。そして具体的にどうしていけば良いかが見えてくるようになります。
学校の学習についていけるか心配された保護者
実は、私の学級の保護者で家では全然勉強をせず、学校での学習についていけているか心配だと相談されたお母さんがいました。
たし算の100問を3分で解く取り組みをしているんですが、Aさんは学級平均の2分30秒を超えて、1分45秒ですよ。今の段階でここまでできるなら、今後の算数の計算の勉強も苦にはしないだろうと思っていました。
このように教えてあげたら、一気に安心した顔をなさったことがありました。それと、
そこまで見てくださってありがとうございます。子ども達の指導をちゃんとやってくださっていることが分かって安心しました。
嬉しい言葉を頂きました。ちょっとの努力が大きな効果を生みました!子ども達の情報さえあれば、教師への信頼感もUPしていきます!時間を作ってわざわざ学校まで足を運んでもらうのだから、準備は必要だということですね!
保護者がへこむ「ネガティブな話題」こそ、主観で語らず「客観的事実」を伝える
ここからは保護者から面談で聞かれる頻出テーマについて考えていきます。
クラスの学習についていけているか教えて欲しい
授業に出ていない保護者の方々からすれば知りたいのは当然ですよね。保護者は、宿題プリントなど、子ども達の学習した痕跡から想像することしかできませんからね。
そんな中で、先生から「ちゃんとできていますよ!」って言ってもらえたら安心しますよね。
逆に先生から「書く力がありませんね。」「計算力がありませんね。」と言われると暗い気持ちになりますよね。私たち教師は子ども達をより良く導くのが仕事ですから教師は適当なことは言えません。
だから、データを提示しながら語ることが重要になってきます。
褒める場合は感情を入れ、苦手なことは事実で伝える
問題は、ネガティブな内容を伝える時です。例えば、「計算が遅いのが気になる」ことを伝えたい場面だとしましょう。その時こそ客観的な事実を示して伝えたいと考えています。データで示せば、
なんだ、後45秒でクラスの平均に追い付くのか。だったらもう少し短くなるように家で息子と一緒にがんばろうかな。
という納得も生まれるはずです。データで示すことで、単なる教師からのダメ出しではなく未来志向で考えることができるようになる。個人面談は保護者を暗い気持ちにさせる面談ではありませんよね。
暗い気持ちになる理由の一つが、客観的な事実が何もなく、教師側の主観で判断して「できていない」というレッテルを貼られていることが原因だと思います。
子ども達の「できていること」を保護者に伝える時には、教師の主観が多めに入っていても良いでしょう。保護者は幸せな気持ちになりますし、教師と保護者を繋ぐ潤滑油のような働きもしてくれるはずですよね。
曖昧さはトラブルの元です!データで攻めましょう!!
「学校で仲の良い友達はいるのかしら?」 には写真や動画が有効!
仲の良い友達はいますか?誰と休み時間に遊んでいますか?
「中間休みの様子ですが教室にいる時はこんな風に本を読んだり、友達と遊んだりしていますよ」と、取っておいた写真を見せながら話をしたり、時には動画を見せたりしています。
想像でしかなかった休み時間の様子がちゃんとわかって安心したという声をよく頂いています。
以前、女兄弟ばっかりで女の子と遊ぶことが多い男の子を心配したお母さんがいらっしゃいました。私はそんなことは知らずに日頃の遊んでいる様子や勉強中の交流の様子を写真や動画で撮影していました。
うちの息子、女の子とばっかり話していません?男の子ともちゃんと遊べるようになって欲しくて、学校でおかまのように扱われていないか心配なんです。
個人面談の時に話を頂きました。ええ~…と私は思いましたよ。だって、全然そんなことがなかったから。
写真や動画を見せながら、全然問題ないことを伝えていくと、凄く安心して帰られました。お母さんの心配は全くの杞憂だったのですが、保護者側からすれば学校での様子は未知のものなのだなあと改めて思いました。
違うパターンもあります。
友達と上手く交流できない子の場合も同じように写真や動画を見せています。
休み時間はこんな風に穏やかに過ごしていますね。もう少し友達と関わっていけるようになって欲しいなという願いはあるので、集団遊びに積極的に誘っていこうと考えています。
このように伝えることで、教師が感じている学校での課題が保護者と共有した課題になります。
その時は、もう少し関われるように集団遊びを学級で取り入れる事や学校での遊びの様子を家でふりかえる機会を設けてくれることに話が一致しました。
もしかしたら保護者は同じ思いかもしれませんし、違う思いかもしれません。たとえ方針が違ったとしても早い段階で保護者側の意向を知れることは大事なポイントなのかなと思っています。
保護者を滅多にない機会だからこそ実りあるものに!!
何も個人面談は敵と話をする機会ではありませんよね。
経験談ですが、教師と保護者の関係が良いと、子どもは落ち着きます。家庭で教師の悪口を言われたら、子ども達は教師を見る目が変わっちゃいますもんね。
それに、教師の立場からする保護者と良い関係を築くことで学校生活を楽しめるようになります。卒業式の時に保護者の顔を見て泣いてしまったことがあります。本当に良いことばかりです。初任者時代であっても、もっと積極的に保護者に関わっていけば良かったなと振り返ることもあります。
”保護者に「学級の一番のサポーター」になってもらう”
そのために分かり合う努力に努めましょう。私の場合、それが証拠を見せながら話をするという一点に尽きます。少しでもみなさんの参考になれば嬉しいばかりです。
こちらは先生向けの記事です。保護者が気を付けるポイントは下の記事をご覧ください。
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