こんにちは。非常勤講師のやまこと、小学校教諭のまつおです。
今日は個人面談の話題です。保護者の中には、「保護者面談で先生に会うけど、何を聞かれるか不安でドキドキする」「あらかじめどんな話題が多いか知っておきたい」という方がいると思います。
現役で学校現場で働く私達が、その悩みにお答えいたしますね!
保護者の立場からすると少し緊張しますもんね
今回は「何を聞かれるか」についての記事です。もし「どうしたら面談で担任と良い関係を築けるか」を知りたかったら、下の記事を参考にしてください。
最初に言っておくと、保護者面談で保護者に失礼な態度で物事を言ってくる教師もいるので、その対処法については次の記事をご覧くださいね。
教師が面談で聞く内容の具体例をリストアップ
具体的にみていきましょう。教師はこんな質問をします。是非参考にしてくださいね!
学校では見えない下校後や普段の様子について
教師は学校生活しか見えないので、それ以外の所を保護者面談で聞いて情報を補強したいという思いがあります。
普段は図書の本を読んでいることが多い子が、帰宅後は公園で走り回って友達と遊んでいることを教えてもらって、子どもへの見方が少し変わったことがあるよ。
面談で「へぇ~」や「そうなんですか」って言葉をよく使うよね。
保護者の情報は確かなので、毎年のように新たな発見があります。そういう意味で、いつも情報をくれてありがとうございます!
①下校後の過ごし方
下校後に一人で過ごすのか、友達と遊ぶのか、習い事をするのかなどを聞きます。
②よく遊ぶ友達と遊び内容
学校でよく関わっている友達を保護者に伝えるのですが、その際に帰ってからや土日に遊ぶ友達は誰ですか?と聞きます。
はやっている遊びなども合わせて聞き、子どもに話題として出したりしています。
③習い事の種類や内容
習い事のことを子ども達は知っていて欲しいと思うものなので聞いています。
最近は多忙すぎる子もいるようなので、時間がいつまでかや、練習回数などを聞くこともあります。
④起きる、寝る時間などの生活リズムについて
基本的な生活リズムが整っているかどうかを聞きます。
起きた時間はどうか、一人で起きられるか、寝る時間はいつか、誰と寝ているかなど、子どもの家庭での様子をイメージしながら聞きます。
わずかな情報なのですが、こういうことを聞くことで子どもの姿が立体的になっていきます。
学校が危惧していることについて
①ゲームやSNSの利用状況について
ここ数年、フォートナイトを筆頭に、ボイスチャットを活用したゲームでのトラブルが学校現場では多く聞かれるようになりました。
保護者が与えた商品なので、保護者がトラブルや悩み揉め事を解消して欲しいのが本心です。
しかし、実際に子ども達は学校に来て、話を聞くのは教師なので、揉め事になる前に布石を打っておきたいという気持ちもあります。
学校は「心配していますので見守りお願いしますね」というメッセージを出す訳ですね。
気持ちが表れて「ゲームはどのぐらいやっていますか?」「誰とやっていますか?」「トラブルにならないように家庭で決めているルールはありますか?」という質問を投げかけます。
保護者が子どもの実態を把握していると教師は安心感を覚えます。
以前、LINEを使っていると聞いて心配した子がいたのですが、「親が毎晩すべてのログを読むのがルールです」と話されたので、大変安心したという事例がありました。
この保護者なら大丈夫だ!と思えた瞬間でした
②学校への要望(クレーム)はないか
教師にとって一番怖いのが保護者からのクレームです。
要望も妥当な内容であれば、聞くことで対処できますし改善に繋がります。一気に管理職まで電話してくる人もいるので、そうなる前に「何か要望はありませんか?」と必ず最後に聞きます。
実は僕には手痛い失敗があります
子どもとの信頼関係が気付けていない時に「強い指導」を続けてしまったことで「子ども達が怖がっていて・・・」という話をされたことがあります。(完全に自分の過ちですよね)うまくいっていない感覚があったので、そのことで頭を叩かれたような感覚でしたが、改善を進められました。
確かに言われた時は辛いのですが、結果的に見れば転機だったと思います。教師も迷っていることが多々ありますので、子が悩んでいたり困っていることは素直に伝えてみてください。
子どもと関係性が良くなってから、保護者に「あの時に言ってもらえて本当に良かったです」と会うたびにお礼を言っています(笑)
③自然教室や修学旅行などの行事前は留意点はないか聞く
行事が近い場合には、それに関する内容を聞きます。普段と違う状況になることが多いので、配慮して欲しいことを聞ける絶好の機会ですからね。
何か担任に言わなければならないことがある人は、この機会をお忘れなくです。
家庭内の情報を少し教えて欲しい
①教育方針はどうなっているか
聞き方が難しいのですが、家庭教育で一番大事にしていることは何ですか?と聞くことがあります。
我が家なら「後ろ向きなことは考えず、人様に迷惑をかけない範囲で全力で楽しむ」かな
これは、その家庭が大事にしていることは何かが分かることで、教師側の指導がしやすくなることがあるからです。
例えば「あいさつを必ずしなさい」と日々指導していると聞けば、今後あいさつに関して褒めてあげられる場面を見つけやすくなりますよね。
このように、家庭ごとに異なる価値基準を聞きだして褒めることに繋げるために聞きだすことがあります。
逆も然りです。
ある競技に取り組んでいて宿題がほとんど出ない子がいました。その子を毎回、指導する訳ですが、「宿題を出すことに取り組まない保護者と子に、出すように言い続けることに意味はあるのか」と思う自分がいました。保護者も家庭学習をやらせることを望んでいないのが面談で分かったので言いました。
お母さんに告げました。
学習が定着せず困ることがあるかもしれませんが今の状況で指摘して自己肯定感を下げるのもよくないと思うので指導しません。
それでいいのかと思う人もいるでしょうが、家庭の数だけ基準があります。押し付けではなく、ちょうどいいラインを見つけていくのもこの面談の意義だと思うのではないかな…?
②反抗期で困ったことはないか
4年生以上になると、「反抗期がやってきて言葉遣いが悪くなる」という相談を受けることがあります。
大変だけど誰もが通る道だもんね
そこで、反抗期で困っていませんか?と聞いています。これは的確な助言を授けようとしている訳でなく、保護者の悩みや葛藤を聞きだして、軽くなって帰ってもらいたいと思うからです。
以前、学校では凄く立派な子が、家庭ではひどい態度で困っているとお母さんが相談されたことがありました。
言葉遣いが悪くなってきて、家族に対しても当たりが強くなり困って相談されてきたのでした。
もしかしたら家族とは違う立場の私が話をしたら少し感じることがあるかもしれないと話し、面談しました。
結果、何も改善しませんでした(笑)
しかし、保護者はその後「もうあの子の態度は諦めることにしました。学校で立派ならそれでいいです。」と割り切られたようでした。お役には立てませんでしたが、吐き出す先ぐらいにはなれたのかなと思います。
もしかしたら悩まれている方いるかもしれないので参考書籍を挙げておきます。ぬまっち曰く「反抗期はない」そうです。自己主張期だそうです。一読の価値ありだと思います。
面談の目的と典型的な失敗~「へこむ」まで追い詰める~
そもそもですが、どうして保護者面談をするのでしょう。学校側としては、子どもの状況を保護者と共通理解を図りつつ、保護者と人間関係を構築するのが目的です。
というと?
例えば、SNSトラブルで教師が頻繁に対応しているとして、それを保護者が深く認知していない場合もあります。
面談で事実をお伝えしながら、今後の対処を考えていく機会にします。相談に乗り、子どもにも保護者にも教師にも良い方向に導いていきたいと考えています。
しかーし…時々、こんな声が聴かれます。
文字の汚さを担任からすごく指摘されて、へこんで帰ってきた
折角の機会で学校に行ったのに、担任から指摘されるだけの個人面談・・・
これは典型的な失敗だと私は思います。
個人面談は全員が前向きになって、未来に向かうぞとなるべきだからです。
教師は考えて発言するべきですが、そういう教師に当たる場合もあります。非難するような指摘を受けた場合にはイライラしますが、受け止めて未来志向で保護者の方も考えてください。(すみません…)
結局、人と人のやり取りだから難しい!
まとめ:聞かれることを想定して、伝えたいことを明確にしよう
最後までご覧いただきありがとうございます。現場の教師ならではの体験談をお届けできていれば良いのですが、いかがでしたか。
教師が「聞く具体例」を見て、あなたなら「何と答えようか」考えることはできたでしょうか。今回の記事を読み、自分ならこう答えるなという風に、やり取りの準備の一助になれば幸いです。
このように本来は教師向けに学校現場で役立つ情報を発信しているブログですが、保護者の立場にも有益な情報を掲載するように心がけています。また見ていただけたら嬉しいです。
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