最近はもっぱら資産運用に精を出していました(笑)後は社会一般に関わる書籍を読むのが好きで読んでいました。例えば、落合陽一さん(@ochyai)の「日本再興戦略 (NewsPicks Book)」とかね。めちゃ面白いのでお勧めですよ。

あれ?ちゃんと教師の仕事しているの?(笑)

当たり前だろ~?(教育書もインプットしないとな)
そこで、twitterをしている中で気になっていた松村英治先生(@EijiMatsu725)の著書を選択!教育書はサクサク読めていいですね。拝読しましたので、書評を書いていきます。
この記事の目次
研究授業の否定派が本を手に取った!
下の記事で書いたように、多くの研究授業は学校現場の無駄を生み出しているように僕は感じていました。
たった1時間のために労力をかけて指導案を書いて放課後の時間を奪って分析していくことは、本当に費用対効果は高いのか?という疑念が消えなかったのです。

1時間の見栄えの良い授業を作る時間にするよりも、他の69時間を考える時間を確保することの方が価値があるんじゃない?
しょうもない、わだかまりがぐるぐると心の中を回る…(笑)
だからこそ気になったんです。
研究授業は硬く時間の無駄にも成り得る。
— まつお@小学校教諭×効率重視 (@matsuo_edu) January 11, 2020
本気で僕はそう思っています。
そんな教師が読みます。
普段なら絶対この手の本は握りません。
でもこの本の表紙にはこんな言葉があったから惹かれた。
「働き方改革」時代のレッスンスタディ
さて、Let’s reading 🔥https://t.co/z0YJmZLb0g pic.twitter.com/xT97JXO3jr
松村先生はtwitterでよく実践ののツイートをされています。教師の仕事を純粋に満喫している姿を見てこの本に興味を持ったわけです。もちろん、斜に構えて読み始めました(笑)どうせ、今までのように研究授業は大事だから頑張りましょう!
そんなきれいごとが並んでいるんだろうと…。

まつお先生
僕が今まで経験してきた研究授業に対するイメージが悪いのでこんな書き方していますが、実のある研究を成された学校の先生はまた違った意味合いでこの本を手に取るのでしょう。僕は批判的に本を取りました。
「授業研究」を通して同僚性を高める策が凄い

僕が過ごしてきた学校では、研究の仕方が上手に共有されず、先生方の思いが一つにならないがために、研究主任が、同じ方向を向いて取り組んでくれない同僚の不満を言ったり、逆に先生方が研究主任の不満を言ったりしていました。

おーまいがー
これでは駄目ですよね。
どの先生にも、授業を良くしたいという思いがあり、考えていることがあるんですから。それを蔑ろにするような研究主任には誰もついて来ません。
授業者の意思を尊重することがこの本からは常に感じられ好印象でしたが、中でも良いなと思った取り組みが以下の二つでした。
全教師が授業に関するコラムを担当する

研究推進部のお便りに、松村先生がテーマを決めて学校中の先生からコラムを書いてもらう取り組みでした。
我々は普段、職員室で話をしますが、授業について考えていることの深い所を知る機会は中々ないですよね。それに、働き方改革の時代に、遅くまで残って教科の肝などを語り合う機会も多くあってはいけない。

普通の先生なら、働き方改革を考えてここで辞めちゃうけど、松村先生は「会話」を「文字」にすることでクリアしていったんですね。
文章であればいつでも読めますし、熟達者の思考をインプットすることもできる!
同僚性を作る上でも会話のきっかけにすることができます。

先生がこの前書いていた理科の授業のポイント、勉強になりました。そして、早く帰るためのコツの話題も面白かったです。僕も参考にさせてもらいますね!
でも、これはどこの学校でもできる取り組みではないと思いました。
提案者の人徳があって初めて成り立ちます。そうでなければ、「また仕事増やすの?」なんて言われて却下されることが想像されますね。
見た授業はフィードバックを欠かさずに行う

校長先生が教室を回ってくることもありますよね。その際のフィードバックはもらえていますか?案外、見ていった割には何もフィードバックがなかったり、あっても一言だったりしますよね。
松村先生は見たらお便りで全教師に配布しているそうです。凄すぎる(笑)
書くことで一番鍛えられているのが松村先生ですよね。
どこが授業者の指導の肝だったかを捉えて、子どもの学びでプラスに働いた要因を分析して書くんですから。これは、ちょっと覚悟がいる取り組みだなと思いました。

研究を進めていくために必要なのは、向上心と覚悟なのかもしれません。
松村先生も最初からスーパーではなかった

ここまで来るのに、松村先生も苛立ちを抱えきれなくなったことがあると本書には書かれています。自伝的に書かれていて、ここが凄く良いです(笑)

こんなにやっているのに、何であいつらはやらないんだ!
…まぁ、わかる気がしますよね。誰しもこういう気持ちを持っています。
勤務校ではこれがリアルタイムに起こっているわけですが(笑)
松村先生が言うところの「同僚性の構築」ならぬ、「同僚性の損失」を校内研究がもたらしていたわけです。
これは、著書で後半に言われていますが、自分が高まれば高まるだけ他者への苛立ちがが湧いてくるようと。
この後に、何とも素敵な先輩教師から言葉を貰って心が変わったようですが、それは本書を手に取ってご覧ください!!私は完璧そうに見えていた松村先生の漆黒の部分(笑)を知れただけでもこの著書を読んだ意味があったと思いました。

東大出身のエリート教師も僕たちと同じようにイライラしながらもやってるんじゃ~んという安心感。ありますよね?(笑)
ただ決定的に凡人と違うのが、目的を端的に切り取り、失敗の要因と改善案を作り行動が取れるようにシステム構築する力が並外れています。工藤校長先生など時代を動かそうとしている人々は「目的論」から思考をスタートさせていますね。
公開研究発表会での時間編成、校内研究で行う取り組みの数々、どれもです。凄いの一言。
「全教師が学びの主体者」になる驚きの事後研究会

研究授業の後の分析、子どもを返してからの「事後研究会」について興味深い内容がありました。
授業者からの自評を最初にすべきではないと考えて削ったというのです。僕が勤務した学校では当然のように授業者からの自評は最初にあり、そのことを疑うこともなかったので驚きました。
そして、何より問題視していることは、授業者による授業の振り返りを起点として議論がスタートしてしまうことです。本来であれば、参観した授業から参観者がダイレクトに感じ取ったことを起点にすべきところを、授業者自評が余計なフィルターをかけてしまうのです。
(第1章 授業力を磨き合う土台づくりp.49)
著者が、研究協議会で全教師が学びの主体者になるために、既存の在り方を再考してこの授業者の自評を遅らせるという方法を出したのでしょう。
当たり前を疑う凄みを感じました。そして、驚いたのが次の章でも。
3 協議中盤
講師の先生や授業者が入場します。
(第2章 授業を見合い、語り合う仕組みをつくる p.138)

えー!協議中盤!?
そもそも事後研究会の場に授業者がまだ入室していなかったのです!
私も授業者の時のことを思い出しました。自評を述べた後は、先生方の話し合いの様子を見て、何となく話し合いをしている席の周りをぐるぐると回っているだけだったなと。
その時間があれば、校長室や自教室を使って、講師の先生からじっくり話を聞いたり、自分で授業を捉えなおす時間があるということを改めて考えました。
授業の事実から学ぶ場というのはよく聞きますが、子どもの事実から教師の在り方を学ぶ訳ですからね。こういう時間の使い方をしていけるのは、ちょっと凄いぞと思ってしまいました。
どうですかね?

僕にはこの時間の使い方、結構クリーンヒットしたのですが(笑)
みんなで進めていくから「校内」研究ですよね

一人でも研究はできますが深まりは弱くなりますよね。
僕にもこの本を読んで早速やってみたいことが生まれました。
ちなみに僕がやってみたいと思っているのは、朝活の交流会と、授業をフラットに空き時間に見に行く活動です。
どれも同僚の参加が必要なものなので、 煙たがられない範囲で気の合う同僚に持ち掛けてみます。
どんな活動も、「仲間と見合い、語り合う」が基本軸ですね。

ここが結構重要だと思っていて、一方的に「見る」「語る」ではないんですよね。一方的だと押しつけがましく、他人の時間を奪うだけの行為に成り下がってしまうんです。
僕が一番嫌いなのは、自分の授業をひたすら発信してくる教師。
なんでお前の話をこんなに聞かなきゃならんのだ!とならないように、win-winになるようにやっていきます!
書評を書いていく効果と著者から繋がる学び
さて、今日は松村英治先生の著書でまつおにヒットした所や考えたことを記入してきました。どこか共感を得た所があったでしょうか?
めちゃくちゃにお勧めですよ。
本を読む者だけがたどり着ける世界が確かにあるなと思います!
現実として著者が伝えたいことを正しく読めているかどうかはまた別の問題ですがね…。

読書が終わって、読み終わったらその本から関連させて読んでいくとその分野に強くなれるよね。校内研究→校内研究という風に。

著者の考え方が気に入ったら、その著者で広げるのもオススメ!
松村先生の著書は読みやすく、滅茶苦茶クリーンヒットしたので残りの二冊も読んでみます。
真っ先に気になったのがこれ。実は以前も気になったんですが、若手の先生が書いているとレビューを見て辞めた経緯がありました。若手、ベテランは関係ないことをこの書籍で痛感しましたので、松村先生からまた学びます!
興味のある方は一緒に読んで、感想をシェアしましょう!一年生担任の方はこちらも!
読書はしたいけど、どれから読んでみたら良いか迷っている方はこちらを!
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